« 2005年5月 | トップページ | 2005年7月 »

研修所生活(例)

前のトピックで、研修所がらみの話が出たので、実際どんな生活をしているかを書いてみようかと。
研修所生活の一例です。

6:30 起床
7:00 朝点検(ジャージ姿)
その後ランニング、掃除
7:30 朝食
8:30 朝礼(制服姿)。このときに3品点検があります。1部2部別々です。中等科だと3分間スピーチなんてこともやらされたりしました。この時間に教官からの伝達事項があります。
その後2コマの講義(学科or術科)
12:00 昼食
13:00 またまた2コマの講義
16:30 夕食
夕食後はフリータイム。飲みに出てもOK。もちろん、勉強もしないといけません。風呂はこの時間帯に入ります。
22:00 晩点検(寝間着でもOK)。
22:30 消灯

講義は学科と術科に分かれます。当然テストなんてモノもあったりします。学科と護身術は追試があります。私は、学科では余裕ぶっこいていましたが、護身術が苦手で、初等科・中等科とも追試(^^; まあ、それでも初等科も中等科も優秀賞とって帰ってきましたけどね。

夕食後の外出は自由なのですが、外出簿に記入というのと、コマを不在側にしておかなければいけません。
晩点検に間に合わなければ手続書を書かされます。どれだけ飲んでいようが、晩点検を受けないといけません。
故に、21:55ぐらいに寮に駆け込んだりなんていうのもしょっちゅうでした。

消灯後は一切おしゃべり禁止。当直による巡回があって、このときに寮の出入り口には鍵がかかります。消灯後は当然外出禁止。ばれたら即手続書書かされます。私が研修を受けていたときにも夜中の外出未遂が発見されて翌朝の朝礼時に大目玉を食らってましたね。

生活の場となる部屋は、管区によって1人部屋or2人部屋ですね。私がいた管区では、初等科時が2人部屋、中等科時は最初の1週間のみ2人部屋、その後は1人部屋でした。(研修所建て替えがあったため)

また、タバコについては、建て替え前は部屋内でOKだったのですが、建て替え後は喫煙部屋でしかダメだったと思います。酒は部屋内持ち込み禁止でした。

携帯電話は当時は持ち込み禁止でしたね。寮内の公衆電話をつかって発信することになってしました。発信の時はいいのですが、受信時がやっかいでしたね。当直室の電話で受信だからです。当直者は該当者が部屋にいるか確認して、マイクで呼び出し。「××刑務所○○研修員、電話が入っております」とアナウンスがあって、当直室で電話を受けるのですが、相手が誰だったとか筒抜けでして、後でつっこまれたりしました。いまでも、続いているのでしょうか。

洗濯は、共同で使える洗濯機と乾燥機があるのでそこでやってましたね。

なお、土日祝日は家に帰ることが可能です。逆に残寮することも可能です(残寮する場合は500円/1日ぐらいのお金が必要です)。私はよく残寮してましたね。日頃交流のとりづらい2部の研修員たちとも親睦を深めたりしたモノです。

あ、そうそう。研修中もちゃんと給料は出ますよ。超過勤務手当などはないので額は下がりますけども、平日は3食付きで寮費は格安ですからご安心を。

6月 30, 2005 日記・コラム・つぶやき | | コメント (1) | トラックバック (0)

どっちもどっちかな

新人刑務官21人を研修中に平手打ち、教官を懲戒処分
ソースは、http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20050629i104.htm

 法務省東京矯正管区は29日、研修生を平手打ちしたとして、矯正研修所東京支所(東京都中野区新井)の男性教官(41)を減給1か月(10分の1)の懲戒処分とした。  同管区によると、男性教官は5月27日午後5時50分ごろ、同支所内で研修していた新人刑務官21人に喫煙場所などを順守するよう注意した上で、全員を横一列に並ばせて、ほおを1回ずつ平手打ちした。  これまでも研修生が喫煙場所を守らなかったり、騒いだりしたことがあったといい、男性教官は「冷静さを失い、手が出てしまった」と話しているという。  柴田元始・同管区長は「大変遺憾だ。再発防止に努めたい」などと話している。

手を出してしまった研修所教官も、殴られた研修生もどっちもどっちかな。
今の時代、悪いことをしたとしても殴るなどの体罰を加えたら問題沙汰になるでしょうに。それぐらいの感覚は教える立場にあるのなら、身につけときなさいよって感じ。まあ、殴ったのは1部指導の(研修所教官)教官でしょうけどね。

研修生は、今後被収容者を生活指導していく立場ですから、研修所の規則を遵守するのは当然でしょう。自分ができないことを被収容者に守らせることなんてできません。ましてや教官から再三の指導を受けていたのなら、やっていることは被収容者と変わりませんよ?こんな連中に将来の矯正界を任せるとなるとOGとしては一抹の不安が。

まあ、えらそうに書いてますけども、私自身規則破りもしたことはありますけどね。後ろめたさはありましたね。
確かに、研修所ではいろいろと細かい規制もありますけども、被収容者に対する規制よりかは遙かに緩いはずですよ。

そういや、東京支所では昨年度も問題があったらしいですね。集団での旅行時に研修生が手錠を持ち出したとか……もうちょっとしっかりして下さいね。

6月 29, 2005 News | | コメント (9) | トラックバック (0)

宮城刑務所の受刑者が飲酒や喫煙

以前、コメント欄でちらっと書いていたのですが、ついにマスコミにもでました。

ソースは、http://www.sponichi.co.jp/society/news/2005/06/16/04.html

 宮城刑務所の受刑者が酒やたばこを入手し、所内で飲酒や喫煙をしていた疑いの強いことが15日、分かった。携帯電話も使っていた。法務省仙台矯正管区は複数の刑務所職員が関与した疑いが強いとみて内部調査を進めている。持ち込みが数年にわたって続いていたとの情報もある。  持ち込んだのは服役していた暴力団関係者とされる。酒はウイスキーや日本酒などあらゆる種類で、受刑者が銘柄を指定していた。持ち込みの経緯について「受刑者が刑務作業の納期を守ってほしければ持ってこいと要求し、職員が不況で減っている刑務作業の受注への影響を案じて応じたのがきっかけ」と話す関係者もいる。  宮城刑務所は再犯者や長期受刑者が対象で、収容者は1034人(15日現在)。

これが事実であるならば、近年では最も最悪な部類の職員籠絡事故になります。
が、籠絡された職員だけを責めるわけにはいきません。酒タバコとなれば、当然臭いもしますから、組織ぐるみで黙認していた可能性もあるからです。

当然のことながら、刑務所では酒・タバコは禁制品です。携帯電話もです。
携帯電話については、職員個人のモノでも戒護区域には持ち込んではいけない決まりになっています。私が現役時代、とある施設の若い職員が被収容者に携帯電話を使わせてしまったのがきっかけだったと思います。

6月 16, 2005 News | | コメント (13) | トラックバック (0)

名古屋刑務所事件の求刑

共同通信社から。

名古屋刑務所で2001年、男性受刑者=当時(43)=に消防用ホースで水を掛け、直腸裂傷などで死亡させたとして、特別公務員暴行陵虐致死罪に問われた副看守長乙丸幹夫被告(48)と同ほう助罪に問われた看守部長高見昌洋被告(45)の論告求刑公判が15日、名古屋地裁(柴田秀樹裁判長)であり、検察側は乙丸被告に懲役4年、高見被告に懲役1年6月をそれぞれ求刑した。 検察側は論告で、受刑者の矯正をはき違えた懲らしめ目的の犯行で、受刑者の体の弱い部分に放水したことは虐待に等しいと指摘。「法秩序の最後の担い手となる刑務官が受刑者を死亡させた恥ずべき犯行。刑務所史上、前代未聞の重大事件だ」と述べた。

ご存じのとおり、名古屋刑務所の事件がきっかけで新法制定と至ることになりましたが、あまりにも犠牲が大きかったと思います。受刑者1名の命だけでなく、現場の刑務官4名の刑務官生命を絶つ結果になりました。そして、この事件をきっかけに、革手錠の使用も禁止となりました。

実は、中等科研修の時に事件前の名古屋刑務所を見学したことがあります。いくつかの工場を見学させてもらいました。
さすが、B級の男子刑務所らしく、独特の緊張感がありました。それは、これまで読んできた書物の世界と同じ感じなのだと。

B級ということは犯罪傾向が進んでいる受刑者です。男子ですからヤクザなども多数います。
そういう連中を100人ほど相手に武器も持たず、たった1,2名の担当で統制のとれた状況を作り上げるのがどれだけ大変なのかは想像を絶するかと思います。

立場を利用して行った行為はあまりにも残虐だとは思いますが、彼らはもう十分に社会的制裁を受けていると思います。罪名と求刑内容を考えると少し微妙ですが、願わくば全員に執行猶予のついた判決がつくことを望みたいです。そして、この事件が起こるまでに至った闇の部分を明らかにして欲しいです。

6月 15, 2005 News | | コメント (10) | トラックバック (0)

日焼け

日焼けは女子刑務官の悩みの一つです。美容の大敵ですから。

日焼けになりやすいのは、運動勤務、通用門勤務、春の初等科研修の集団行動訓練とかですね。
日焼け止めを塗っても塗っても追いつきません。
というより、あまり強力な日焼け止めは顔がヘンに白くなるし、難しいのですよ。肌への影響もきついですからね。

それでもって、一度焼いてしまうと後のダメージは確実に来ます。
それも年単位のロングスパンで。私は若さ故の過ちで、日焼け止めを塗らずにいたら、シミになってしまってて、今でも残ってます。

一応、帽子はかぶってはいるけど、野外では焼け石に水という感じです。日射病にならないのだけが救い。
ずっと日陰で勤務というわけには行かないし、特に下っ端は直射日光を浴びるところで戒護するはめになりますから。この業界は下っ端ほどしんどい業界ですから。
夏制服だと首と袖にくっきり焼け跡が……

焼け跡がくっきり残るころには、4月拝命の新人さんもぼちぼち使い物になってくるのですけどね。(女子の世界では)。

あ、そうそう。これからどんどん暑くなって、汗もたくさんかいていきますから、待機の時にはしっかり水分補給して熱中症には気をつけて下さいね。

6月 14, 2005 日記・コラム・つぶやき | | コメント (5) | トラックバック (0)

労働三権と刑務官

刑務官には憲法で保障されている労働三権が適用されません。
憲法第28条では、『勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する』
となっていますが、刑務官や警察官、消防士などには適用されないのです。(国家公務員法・地方公務員法)
おおざっぱな理由は、治安や安全を守るこれらの職業の人間が労働三権を発動した場合に、治安や安全への影響が大きいからです。

さて、労働三権とは、団結権・団体交渉権・争議権のことを指します。
団結権……勤労者がよい労働条件を保持し、悪い労働条件を改善するために団体を結成することを
保障した権利。
団体交渉権……よい労働条件を獲得するために交渉することを保障した権利。
争議権……俗に言うスト権。団体交渉が決裂したような場合に、自分たちの要求を実現するために争議行為(ストライキ)を行っても、刑事罰を受けたり、会社を解雇されたりしないということを保障した権利。

ぶっちゃけた話、上層部のなすがままというのが刑務官の業界です。
下級職員(副看守長まで)は、現場の上層部の意向一つで担当が変わったりするのは当たり前なのです。
職員にとって、不利益な待遇もやりたい放題です。

では、不利益な待遇を受けた場合に、救済してくれないのかという話ですが、よほど良い上司の上司(所長・部長クラス)に恵まれない限り、現場レベルでは不可能です。人事院に不服申し立てをするという最終手段は用意されているモノの、時間がかかるとのことです。
幹部は2〜3年のスパンで全国転勤を繰り返しますから、幹部が替わるまでじっと耐えているのが現状でしょう。

刑務官にも少なくとも他の公務員同様、団結権・団体交渉権は認めて欲しいものです。
上層部の暴走を誰も食い止められないのは、組織としても破綻していると思います。

6月 12, 2005 日記・コラム・つぶやき | | コメント (0) | トラックバック (1)

姓が変わる

結婚・離婚・養子縁組などといった理由で被収容者の姓が変わることがあります。
姓が変わると、書類の類は変更ですし、呼ぶときの名前も変更になります。女子の世界では結構あるので、覚えるのが結構大変だったりします。
姓が変わった後もうっかり旧姓で被収容者を呼ぶのを何度やらかしそうになったことか。

俗に言う獄中結婚なんて言うのも拘置所ではありです。
どうやって知り合うのかと言えば、娑婆の知り合いというのもあったりするですけども、文通で知り合った人とといったケースもままあります。私が体験した中で最もひどいケースは、シャブ中の累犯で拘置所内離婚→拘置所内結婚で2回も姓が変わったというのがありましたね。

ついでに言うと、この獄中結婚をしたいが故に上訴(控訴・上告)するのもいるのです。もう、あきれて何も言えませんでしたね。

逆に離婚は刑務所・拘置所どちらでもあり得ます。
たいていは拘置所にいる間に離婚されてしまいますが、刑務所で服役を開始してから離婚というのもあります。
かわいそうかなとも思うのですけども、犯罪を犯してしまった以上、離婚されても自業自得でしょう。もともとは他人なのですから、紙切れ1枚で離婚できてしまうのです。
運良く旦那が待っていてくれている程度にとらえるぐらいの気持ちじゃないと、刑務所で反省なんて無理でしょう。

6月 8, 2005 日記・コラム・つぶやき | | コメント (10) | トラックバック (0)

国家公務員のメンタルヘルス

人事院が、「職員の自殺防止のために」(自殺防止専門家会議)について」という文書を出していますね。

朝日新聞の記事によると、2003年の国家公務員の自殺者は134人となっています。これは、当然既遂になったモノだけですから、未遂まで入れると、相当数の職員がメンタルヘルスに問題を抱えているかと思います。

国家公務員だけでなく、民間企業にも十分通用するかと思います。
管理職の立場にある方は是非目を通しておいてほしいモノです。

メンタルヘルスに対する無理解による被害者を増やしたくないのです……。
過去にこのBlogで書いてきましたけど、私が退職した理由は鬱病によるモノでした。

退職時の上司は、某掲示板で話題になっていた人です。
私が発病した当時は、気がついていなくて、鬱病になったのではないかと気遣ってもらっていました。
病院に行くように言われたのはその人の指示です。
ただ、それから半年ぐらいして上司が旦那の浮気による離婚で言動がおかしくなっていきました。そして、メンタルヘルスに対して無理解になってしまいました。その影響は今でもあると思います。

私の場合は、退職を促されることはありませんでしたが、辞表を出したときにほっとした表情を見せました。やっかい払いできてよかったとでも思っているのでしょう。

部下の立場にあるでメンタルヘルスに問題を抱えている人は、理解ある上司に相談した方がいいです。理解のない人に相談すると、いきなりクビを促すような言動をとります。

私自身、現在鬱病を再発してしまっている状態です。私の肩書きからプログラマを消したのは鬱病再発が原因での配置転換によるモノです。
幸い、社長が理解のある方で、来週から8月末まで休職できることになりました。
退職も考えたのですが、とりあえず休職という方向で行くことになりました。社会保険なので、傷病手当金というのをもらいながら生活することになります。

みなさん、どうか心の健康は大事にして下さいね……。

6月 3, 2005 日記・コラム・つぶやき | | コメント (3) | トラックバック (1)

それは突如やってくる(夜間新入)

拘置所で勤務していて突然やってくる、しかもイヤなモノといえば……夜間新入です。
お昼過ぎに事務所に連絡があって、今日××署から○名。

こうなると、事務所はあわただしくなります。
最も頭が痛かったのは、配房でしょう。配房とは、被収容者をどの居房に入れるかを決める作業のことです。どういう身柄なのかを判断した上で、独居房or雑居房を決めます。これを決めるための要素はいろいろあるのですけども、刑事訴訟法第81条による接見禁止がついている場合、警察で暴れるなどのトラブルを起こしている場合は絶対に独居。

ちなみに、接見禁止が規定されている刑事訴訟法第81条とは、

裁判所は、逃亡し又は罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるときは、検察官の請求により又は職権で、勾留されている被告人と第39条第1項に規定する者以外の者との接見を禁じ、又はこれと授受すべき書類その他の物を検閲し、その授受を禁じ、若しくはこれを差し押えることができる。但し、糧食の授受を禁じ、又はこれを差し押えることはできない。

で、第39条第1項に規定する者は、弁護人又は弁護人を選任することができる者の依頼により弁護人となろうとする者

監獄法施行規則第24条で、

刑事被告人ハ成ル可ク之ヲ独居拘禁ニ付ス可シ

となっていても、独居の数には限度というのがあるので、独居でないとまずい場合以外は雑居に入れることになるのですが、実際には本人の様子を見て最終的な判断がされていました。

当然、夜間新入ですから日勤者は居残り(超過勤務)になります。1名なら主任、雑務係、領置係ですが、人数が多いときは日勤者全員居残りなんてことも。

そして、やっかいなのは、夜間新入で入ってくる身柄に限って、警察でやっかい払いされたかのように送り込まれてくる。

6月 1, 2005 日記・コラム・つぶやき | | コメント (0) | トラックバック (0)

少年審判と刑事裁判の違い

よく、報道で少年審判の結果を話すとき、わかりやすくするためか「不処分=無罪判決」「保護観察・少年院送致=有罪判決」と説明することが多い。しかし、ことは実はそんなに単純に比較できるものではない。
まず、少年事件の場合、警察が取り扱った事件は全て検察を通じて家庭裁判所に送致される。(警察から直接家裁へ送致というケースもあるし、児童相談所から通告というケースもある)全件送致だから自転車・バイク盗(正式には占有離脱物横領罪)から強盗・傷害・殺人などまで全部が家庭裁判所に事件として送られるのだ。
まず、家裁は審判官(家裁の裁判官のこと)が審判を開始するか不開始するかを決定する。少年事件のかなりの割合がこの「不開始」でけりが付く。審判開始が決まった場合、家庭裁判所調査官が少年の生育環境や本人の問題を調査していく。その際に、身柄の拘束が必要と判断されたとき、初めて「観護措置」が取られて「少年鑑別所」へ少年が送られることになる。非行少年が100人いたとして、観護措置が取られるのは1割前後である。何度も非行を繰り返す場合、生育環境に問題があり送られるケース、様々だ。
そして少年審判がはじまると家庭裁判所調査官の調べた生育環境、検察官から送られてきた事件の概要、少年鑑別所に収容されていた場合は鑑別結果通知書を審判官が読み、その上で「不処分」「保護観察」「児童自立支援施設・児童養護施設送致」「少年院送致」「検察官送致」といった判断を下す。おおまかな流れはこんな感じである。
さて、成人の場合は無罪であれば拘置所に拘留されていても釈放され、前科はつかない。有罪判決と新聞などに載るケースは、執行猶予つきの懲役・禁固刑の判決で、執行猶予中に再犯したりすればあらたな事件の判決と同時に執行猶予で免除されていた服役期間もプラスされることになる。実刑判決と報道されれば、裁判所が被告を有罪と認めた上で刑を科すわけだ。
ところが、少年審判の場合、有罪であっても「不開始」「不処分」といった判断が下されることが、案外多い。不開始も不処分も家庭裁判所の記録には残るが、実際すぐに釈放されて自由の身になるため、成人の場合の「無罪」と同じと見なされてしまうのだ。もちろん、事実関係を調べた結果、無罪であるから「不開始」「不処分」になることもある。だから、不開始・不処分には「有罪だけど不開始・不処分」という場合と「無罪だから不開始・不処分」と言う場合があるわけだ。保護観察や少年院などの施設送致、検察官送致の場合はほとんどが有罪だが、先日のコラムのように、精神鑑定を行った結果心神喪失・心身耗弱が認められても「医療少年院送致」という決定もあり得る。
つまり、刑事裁判では事実認定の手続きは検察官と被告・弁護人との間で証拠採用・不採用などの論点で争われ、事件事実がより厳格に審理されるのに対し、少年審判では審判官による事実認定であるため、成人の裁判よりも事件事実について争われることがあまりなく、あったとしても、検察官は審判に立ち会えないという問題があった。これに関して、少年法改正のため、殺人・傷害などの重大事件では検察官の立ち会いがみとめられるようになった。しかし、もし少年の処分に不服がある場合に検察官は抗告することができないでいる。今後、事実認定を厳格に行うべきとの論議がさかんになってきている。14才以下の触法少年についての少年院送致を認めるかどうかという問題に次いで、大きな論議である。

6月 1, 2005 初心者向け解説 | | コメント (0) | トラックバック (0)