書信係は大変
書信(手紙)は、消したら消したでクレームが付き、消さなければまたクレームになってしまいます。
今回は後者に関する事件です。
脅迫はがき:発砲の元郵便局員、拘置所からトラブル相手に
ソースは、http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20050702k0000m040176000c.html
福岡県久留米市の繁華街で拳銃を発砲し、銃刀法違反の罪(発射、所持)などで起訴されている同市津福本町、元鳥栖郵便局郵便課総務主任、江口智久被告(57)が、発砲前にトラブルを起こした雑貨店主あてに、拘置先の久留米拘置支所から脅しととれる内容のはがきを郵送していたことが分かった。
問題のはがきは先月22日付の消印。差出人欄に江口被告の名前と、改築中の久留米拘置支所が一時移転している福岡刑務所の住所が書かれている。
はがきは「貸付金20万円を左記住所に送付されたし」とし、店主の名を挙げ「もし返済なき時、自分は4年前後で出所するので、○○は保証しない」と危害を加えることをほのめかしている。○部分は黒塗りされていた。
刑事訴訟法は拘置中の被告が外部と手紙をやりとりする権利を保障し、一方で監獄法施行規則が拘置所に検閲を義務づけている。脅迫や証拠隠滅など犯罪の恐れがある場合、拘置所の判断で塗りつぶしたり、送付を差し止めることができる。
記事中でも触れていますが、監獄法施行規則第130条の規定によって、被収容者の発受信する手紙は検閲することになっています。実際に検閲するのは処遇部門書信係の刑務官です。手紙に書いてある内容を要約して、書信表という紙に控えておきます。そして、処遇の参考にするため、身分帳という被収容者に関する帳面に挟むことになっています。(注:通常は書信表の部分だけ書信係で持っていて、移送時や釈放時に身分帳にまとめます)
書信係の仕事ですが、未決の場合は結構大変です。平日は1日2通までの発信が可能なので、1日で検閲すべき手紙の数は発信分だけで被収容者の約1.5倍ぐらいはあるかと思います。受信分も入れたら3倍は軽いかと思います。受刑者の場合は現在のところ行刑累進処遇令に基づいて、月1(4級)〜週1回(2級)、1級は随時となっているので、未決ほど発信数はありません。受信も親族申告がなければすぐに読めないということであまりありません。
座って仕事し続けるので、現場での立会業務とはまた違うしんどさがあります。それに、要約するのにも結構頭を使ったりしますし。大変な仕事ですが、適切な業務が遂行されることを祈ります。
7月 2, 2005 News | Permalink
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コメント
本当大変ですよ。うちは既決ですが、特大施設なので、発受信の処理は大変です。受信の手紙の中に、お金や切手や写真を入れてくる人もいますからね。ちなみに、書信係にも、民間人はいますよ。
投稿 書信係 | 2005/07/03 13:10:47
民間人導入していたのですか。失礼しました。私が現役だった頃は、せいぜい事務方の夜間の電話受付ぐらいだったので、処遇には介入していないかと思ってました。
民間人が不適切だと思った書信とかはどのように決済されていくのでしょうか?
投稿 | 2005/07/11 23:06:51
何か変な文があれば、すぐ言うようにしてもらっています。決裁関係は書信係で通常通り行います。あくまで仕事は、手紙を読むだけなので。何が、書いていたかの確認は、書信主任が行うことになってはいますが、書信主任も忙しいので。
投稿 書信係 | 2005/07/13 9:50:33
刑事施設法が施行されると、法規定上、信書の発受が友人でも可能になるようですが、実際の処遇上は変わる見込みはあるのでしょうか?彼女がもうじき下獄するので、刑事施設法の施行に期待しているのですが。差し支えのない範囲で、今後の見通しを教えていただければありがたいです。
投稿 キタキツネ | 2005/12/04 17:53:10
>キタキツネさんへ
彼女がもうすぐ下獄するとのことですよね。結婚とかは考えてないのでしょうか?
新法では、
第九十五条 刑事施設の長は、犯罪性のある者その他受刑者が信書を発受することにより、刑事施設の規律及び秩序を害し、又は受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがある者(受刑者の親族を除く。)については、受刑者がその者との間で信書を発受することを禁止することができる。ただし、婚姻関係の調整、訴訟の遂行、事業の維持その他の受刑者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため信書を発受する場合は、この限りでない。
となっています。
実際の運用予定については、私ではわかりかねますので、現役の方でわかる方がおられましたら回答していただければ幸いです。
投稿 管理人 | 2005/12/05 18:50:59
局の責任者の話からは,今までの親族のみと言うごく狭い許可範囲から,大幅に拡大されるようです。
条文の「婚姻関係の調整、訴訟の遂行、事業の維持その他の受刑者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理」について,刑事施設の長の裁量判断が問われるところですが,ただの友達同士の近況交換というような内容は今までどおり不許可のようです。
個別具体的な話はまだ固まっていない様子なので,その打ち出されるであろうガイドラインに期待したいです。
投稿 不肖 | 2005/12/05 22:48:23
管理人さん、不肖さん、書き込みありがとうございます。
結婚は考えていますし、柄受人も引き受ける意思も彼女に伝えてあります。ただ、仮釈放などで、有利になるということで柄受人は親御さんにすることになっています。
受け入れ態勢のキャパシティの問題もあるのか、ただの友人まで拡大されるのはやはり難しいということなんですね。
面会のときに、結婚についてしっかり話してみようと思います。
投稿 キタキツネ | 2005/12/06 2:01:44
>キタキツネさん
そうですね,友人までに通信を拡大すると施設側の処理が困難になるという行政上の管理運営という問題もありますし,内容の検閲による施設の規律秩序の維持という面でも支障があります。
現に通信の検閲が十分にできなくて犯罪を構成してしまった事例がありますし。
また,自由刑の本質を考えると無制限に外部交通が認められることの是非もあります。
来年にも出所ということですが,彼女を幸せな方向に手を引っ張っていってくださいね。
投稿 不肖 | 2005/12/06 23:33:46
>不肖さん
ありがとうございます。彼女は、私が4年間想いを寄せてきた人で、逮捕されてから毎日手紙を送り続けたことで私の気持ちを受け止めてくれました。判決は2年で、出獄は再来年になるけど、しっかり守っていってあげようと思っています。絶対に幸せにしてあげます。
投稿 キタキツネ | 2005/12/07 19:03:47