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起訴猶予ってなあに? 里谷多英選手のケースから

今回は、以下の事件を例にとって説明します。

里谷選手を起訴猶予−暴行事件で東京地検
ソースは、http://www.sanspo.com/sokuho/0831sokuho047.html

東京地検は31日、東京・六本木のクラブで経営者と殴り合いのけんかをしたなどとして、暴行容疑で書類送検された長野五輪フリースタイルスキー女子モーグルの金メダリスト、里谷多英選手(29)=フジテレビ=を起訴猶予処分とした。 同容疑で書類送検された経営者のナイジェリア人の男性(35)も起訴猶予とした。男性経営者と里谷選手の間で和解が成立し、双方が出した被害届が取り下げられたことを考慮したという。

起訴猶予とは、検察官の裁量によって、公訴要件を満たしている事件であっても、公訴を提起するのを猶予することをいいます。
社会内処遇(ダイバージョン)の一環でもあります。

今回のケースでは、暴行罪という公訴要件を満たしていたのですが、被害届を両者とも取り下げたということで、起訴猶予に検察官がしたのです。

日本では、成人犯罪者に対しては起訴便宜主義を採用しています。
起訴するかどうか、起訴をしたとしても略式起訴か正式起訴かという選択が検察官に与えられています。

さて、もしこれが公訴提起されて、勾留命令がでれば、東京拘置所に収監されます。(東京23区内の事件のため)
となると、里谷選手は有名人ですから、受け入れる側もそれなりに大変なのですよ。独居拘禁は当たり前ですが、他の被収容者とは全く接触させないように、運動・入浴も単独になるでしょう。そうすると、職員の手間が増えると。

微罪処分(警察によって行われる)や起訴猶予がなければ、過剰収容はもっとひどい状況になるわけで、社会内処遇ができる人間に対しては、社会内処遇でカバーして欲しいと思います。

8月 31, 2005 初心者向け解説 | | コメント (0) | トラックバック (0)

矯正施設内での犯罪対処

2つ前のトピックとあわせてお読み下さい。

まず、行刑施設(刑務所・拘置所)の場合は、特別司法警察職員が対処にあたります。基本的には矯正処遇官以上の刑務官が指名されます。

ここでいう犯罪は、犯した人が被収容者だけではなく、職員や面会者も対象になります。
http://www010.upp.so-net.ne.jp/kawadai/special/prison.html を参考にして下さい。

要するに塀の中で犯罪を犯した場合に、刑務官が捜査、証拠集めなどをすることになります。その後、犯罪として起訴に至ることになります。

一方、少年施設(少年院・少年鑑別所)の場合は、特別司法警察職員はいません。したがって、悪質な犯罪があった場合、即警察に通報ということになります。故に捜査や証拠調べは警察におまかせになります。
先日起きた東北少年院の収容少年による教官への暴行事件がいい例です。

8月 31, 2005 初心者向け解説 | | コメント (0) | トラックバック (0)

ほぼ毎日使うからこそいいものを

刑務官の仕事は、基本的には立ち仕事です。立会か巡回か連行か。
それ故、足を酷使する仕事です。
現場に立つ刑務官は足で給与を稼ぐといってもいいでしょう。

そこで大事になるのが靴選びです。
昼間の勤務中は革靴のみ、夜間はスニーカーOKなのですが……どちらにしても、自分の足に合わない靴を選ぶとひどい目に遭います。足の裏が痛くなる程度では済みません。外反母趾になったり、膝に水がたまったりする原因になります。

私が現役時代に愛用していたのは、革靴系ウォーキングシューズでした。たつみさんから勧めてもらいました。
アシックスのpedalaシリーズです。http://www.asics.co.jp/products/walking/wpk574.html の黒です。
男子の方なら、同じアシックスのワラッジシリーズの方がよりビジネスよりなので良いと思います。

この手のウォーキングシューズは価格は少々張りますが、軽いし、クッションもしっかりしているので是非おすすめしたいです。
私が刑務官時代に足を痛めずに済んだのは、pedalaのおかげです。

勤務時に長時間使うモノだからこそイイものを!

8月 30, 2005 日記・コラム・つぶやき | | コメント (0) | トラックバック (0)

矯正施設内で職員への暴力増加、過剰収容のストレス?

ソース:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20050829i408.htm

 刑務所や拘置所など全国の矯正施設内で、収容者が刑務官ら職員に暴行する事例が増加している。  昨年までの5年間に、全国74施設で、こうした「対職員暴力」で懲罰を受けた収容者は約1・5倍となった。  定員を超える過剰収容によるストレスが一因とされる。法務省も過剰収容の弊害を重視し、収容棟の増築などを進めているが、収容者数の増加に追いつかないでいる。  法務省矯正局によると、犯罪の多発に伴い、全国74施設の収容者数は年々増加し、2001年に初めて収容率が100%を超え、以降、105〜106%の定員超えが続いている。  これに比例し、対職員暴力により独居房での謹慎などの懲罰を受けた収容者も、00年の661人から01年709人、02年837人、03年853人、04年966人(いずれも延べ人数)と増えてきた。  悪質だとして検察庁に送致されたのは、02年は20件だったが、04年には62件と3倍以上になった。大阪矯正管区の12施設でみると、起訴に至ったのは00年の2件から、昨年は15件となり、今年も6月までに6件に達している。  03年9月の事例では、男性収容者がトイレの便座で刑務官に殴りかかり、約3週間のけがをさせ、傷害罪などで実刑が確定した。  犯行動機には「作業終了後に『ご苦労さん』というねぎらいの言葉がなく、腹が立った」「私語を注意された」などが指摘される。日ごろのイライラが高じているためか、日常的な指示や指導などのささいな出来事が、発端になりやすいという。

矯正護身術などの訓練を受けているとは思いますが、このような職員暴行事案から身を守るには、日頃の訓練が大切なのかなと。怪我ですめばまだいいですけど、殉職なんてなったらたまったモノじゃありません。

被収容者はサービス業でいうお客様ではありませんから、別にねぎらいの言葉をかけたりする必要なんてないのですけどね。作業をするのは刑罰の一環であり、娑婆での労働とは違います。なぜ自分が矯正施設に入れられているのかわかっていない馬鹿な証拠でしょう。
犯罪を犯した、またはその可能性があるから刑罰を受けたり、勾留されたりするのに。

過剰収容は、パーソナルスペースの侵害になるので、それがストレスにつながっているのでしょう。矯正施設内での人間関係でいえば、1mちょいは必要だと思うのです。ただ、昨今の過剰収容でそのスペースが確保できない。基本的に1日中同じメンツで過ごすから、パーソナルスペースがずっと侵害され続ける。自業自得といえばそれまでですけどね。
私が現役時代だった頃でも、6名定員の雑居に8名、9名は当たり前になっていました。(これは某拘置所女区での話)

パーソナルスペースの侵害は、ストレスにつながる。だからといって暴力をふるったり、作業拒否するのはストレスを発散する方向を間違っているとしかいいようがないです。

8月 29, 2005 News | | コメント (7) | トラックバック (0)

福田和子受刑者死亡

 82年に起きた松山市のホステス殺害事件で、約15年間の逃亡の末、時効直前に逮捕・起訴され、強盗殺人罪で無期懲役の判決を受け和歌山刑務所で服役中だった福田和子受刑者が、今年3月脳こうそくで死亡していたことが26日、分かった。57歳だった。  関係者によると、福田受刑者は今年2月下旬に刑務所で倒れ、和歌山県の病院に搬送された。脳こうそくと診断され、緊急手術を受けたが意識が戻らず、3月10日に死亡したという。  福田受刑者は82年8月19日、松山市のマンションで同僚のホステス(当時31歳)の首を絞め殺害。遺体を同市の山林に埋め、現金や家具など計1000万円相当を奪って逃げた。その後、整形手術を繰り返しながら、全国を転々とした。  愛媛県警は指名手配中の96年8月、逮捕につながる最有力情報提供者に、犯罪捜査として全国初の懸賞金を出すと発表して注目を集めた。  97年に福井県内で「よく似た女がいる」との情報が寄せられ、福井県警が捜査。時効3週間前の同年7月29日、同県警に逮捕された。

和歌山刑務所で服役していたのですか。この人が逮捕されたとき、よう捕まえたなというのと、逃げ切れなかったのかという2つの感想を抱きましたね。

無期懲役と言うことは、このごろの相場は20年前後ですから、病気で倒れなくても、生きて刑務所を出られるか微妙なところだったと思います。亡くなるにはまだ若い年齢だったとは思いますが、人は死を免れることはできません。
それに、無期懲役の場合、仮釈放になったとしても永久に仮のままで、本当の釈放は恩赦でもない限りあり得ません。

現役時代、刑務所で突然具合が悪くなって入院→そのまま搬送先病院で死亡というのは1度だけ体験しました。
累犯の受刑者でした。夜勤中に腹痛を申し出てきたので、横臥しなくても良いから楽な姿勢でいるようにと指示しました。次の日は出役せず、すぐ病院へ検査に行きました。その受刑者の死を知ったのは、それから2ヶ月ぐらい経ってからのことでした。病院移送などもあったと思うのですが、なにせまだ新米看守の頃で何がなんだかわからぬうちに、受刑者の死を迎えました。

強盗殺人という凶悪犯罪を犯し、時効ギリギリまで逃げ続けたというたちの悪い人間でしたが、今となっては冥福を祈るだけですね。

8月 27, 2005 News | | コメント (4) | トラックバック (0)

セカンドライター・たつみさん逝去

本日、彼女の知人から連絡がありまして、逝去されたことを知りました。享年36でした。
私には冥福を祈ることしかできません。

持っていた薬類で自殺を図りました。
元々、OD癖のある人でしたが、まさか実行に移すとは思いもしませんでした。

本日の昼、別の知人が警察に連絡をしたところ、死亡が確認されたとのことです。

私は結局彼女の苦しみを何も理解できていなかった。
死ぬ数日前、彼女は精神科への入院を拒否されてしまい、それで落ち込んでいたところに、いろいろなごたごたが続いてしまったのが、死への選択をさせたのだと思います。

読者の皆様、短い間でしたが、彼女が書いたトピック、コメントは彼女の生きた証です。
正直、来年の新法施行とともにこのBlogも閉めようかと思っていましたが、私が生きている限りかサービスが継続している限りは残すことにしました。
今後ともよろしくお願いします。

8月 26, 2005 News | | コメント (17) | トラックバック (1)

中途退職の落とし穴

私のように、途中で刑務官を辞めた場合、落とし穴がいくつかあります。

一つ目は、失業保険の適用外になることです。
もともと、公務員は定年まで勤め上げるのを前提としていますから、雇用保険をかけていません。したがって、辞めてしまって失業したときには、失業保険ももらえません。

二つ目。住民税の支払いが予想以上に多い。下手すると払えない。(特に若い人は注意)
住民税の請求は、辞める前の年の収入を元に計算します。刑務官は超過勤務手当などを入れると結構な額をもらっているので、無職になったり、収入がダウンすると、思った以上に堪えます。退職金がもらえますが、拝命年数が少ない場合はそれなりの額しか出ませんので、退職金は住民税対策金としておいておいた方がよいです。
ちなみに、私の時は、1期(3ヶ月)で3万円以上の住民税を納める羽目に……収入が半減以上した身にはとてもつらかったです。

三つ目。これは無職になって国民保険・国民年金になった場合ですが、結構馬鹿にならない金額です。もう時効ですので白状しますと、私は国民年金の間、保険料を納めていませんでした。免除の申請をすれば良かったのでしょうけども。

ということで、刑務官辞めたいと考えている人は、これらのことも頭に入れておくように。

8月 24, 2005 日記・コラム・つぶやき | | コメント (2) | トラックバック (0)

刑務所におけるアメとムチ

前のトピックに関する話題です。
刑務所で服役している受刑者に対するアメ(優遇)とムチ(懲罰)について説明します。

現在、アメの部分については行刑累進処遇令をベースに行われています。行刑累進処遇令は、受刑者を第1級〜第4級までに分け、数字が小さくなるほど優遇されていくという制度です。
どういったアメがあるかといえば、

  1. 面会・発信数の増加
  2. TV視聴
  3. 各種行事への参加
  4. 夜間独居

などです。
1.については、新法では累進処遇にかかわらず月4回以上が保証されるので、有効なのは今年度いっぱいまでですね。
2,と3.については、昼夜独居に付されていない限りは可能ですから、アメとしてはいまいち弱い。
4.については、雑居房拘禁で1日同じメンツと過ごすのではなく、昼は工場で皆と過ごし、夜間は1名で過ごすことができるという、一般的な生活に近い拘禁状態になります。故に、夜間はプライバシーが保てます。

一方ムチですが、懲罰ですね。監獄法からのコピペですが、
一 叱責
二 賞遇ノ三月以内ノ停止
三 賞遇ノ廃止
四 文書、図画閲読ノ三月以内ノ禁止
五 請願作業ノ十日以内ノ停止
六 自弁ニ係ル衣類臥具著用ノ十五日以内ノ停止
七 糧食自弁ノ十五日以内ノ停止
八 運動ノ五日以内ノ停止
九 作業賞与金計算高ノ一部又ハ全部減削
十 七日以内ノ減食
十一 二月以内ノ軽屏禁
十二 七日以内ノ重屏禁
そのうち、受刑者に対して現実的に課せられているのは、1,4,5,8,9,11です。

現場でいう懲罰は、11の二月以内ノ軽屏禁のことです。軽屏禁とは、受罰者を罰室内(独居房に小札で懲罰中であることを示している)に昼夜屏居する処分です。ねらいは、厳格な隔離によって謹慎させ、精神的孤独の苦痛によって改悛を促すことです。4の文書、図画閲読ノ三月以内ノ禁止もセットで課します。
屏居とは、他の被収容者との接触を断ち、昼夜を通じて、常に一居房内に独居させることを意味し、常に受罰者を罰室内に入れて、室外に出さないことを意味します。それ故、入浴や運動も原則停止になります。まあ、長期間にわたる場合は、裁量によって入浴(or拭身)、運動に出しますけどね。
最近は、11+4のセットでは効果が薄いとして、9の作業賞与金計算高ノ一部又ハ全部減削も付け加えている場合が増えてきています。

懲罰が終わったとしても累進処遇級が下がったり、仮釈放が遅れるという別のムチも待っていますが、満期上等な連中には効果が薄いです。

8月 20, 2005 初心者向け解説 | | コメント (10) | トラックバック (0)

“塀の中”でも一人がいい 受刑者「懲罰」が倍増

ソースは、http://www.sankei.co.jp/news/evening/19iti001.htm

プライバシー求め「雑居房逃れ」  受刑者の増加で刑務所などの矯正施設の収容能力が追いつかない過剰収容問題が深刻化する中、雑居房の受刑者がトラブルを起こし独居房に入れられる「懲罰」の対象者数が、平成六−十六年の十年間で約二倍に膨れ上がっていることが十八日、わかった。ストレスがたまる雑居房に嫌気がさし、「罰を受けてでも独居房へ」と願う受刑者の増加が主因といい、各刑務所は対応に苦慮している。高度経済成長期以降の核家族化で、自分の部屋がある暮らしに慣れた受刑者が多くなったことが背景にあるとみられ、“塀の中”の現代人気質を如実に反映している。  法務省矯正局によると、全国の刑務所の平均収容率は十二年に初めて100%を突破し、その後も増加傾向にある。これに比例して懲罰事例も増加し、十六年の受罰者数は全受刑者の約73%にあたる四万七千六百四十七人で、六年の受罰人員(二万二千百二人)の約二・二倍となっている。  中でも、プライバシーが希薄な雑居房から逃れるための「故意の規則違反」とみられる懲罰事例が年々増加。大阪矯正管区管内(刑務所、拘置所など十二施設)の十六年の懲罰事例件数は約一万千五百件で、十二年の二倍近くに達している。  このうち大阪刑務所(大阪府堺市)では、雑居房逃れの手法として「就業拒否」の事例が急増。十五年の九百六十四件に対し、翌十六年は一・六倍の千五百五十五件と過去最高に達した。  今年も前年を上回るペースで増えており、なかには「独居房に移してくれないなら作業場へ出ない」と泣きつく受刑者も。  このほか、雑居房から看守を大声で呼びとめ、扉を激しくたたくなどしてわざと「規律違反」を犯すケースもあるという。  大阪刑務所では、受刑者から「寝てるときに足を踏まれた」「静かに本が読めない」「プライバシーが守られない」といった“苦情”が多く寄せられているといい、こうした不満が雑居房逃れを増幅させる要因となっているようだ。  一方、刑務所内での暴力事件なども増加しており、大阪刑務所の幹部職員は「収容者の増加に職員の数が追いつかず、緊張感が高まっている」と不安をにじませる。  ■土本武司・白鴎大法科大学院教授(刑事法)の話 「懲罰は違反行為に一定の歯止めをかけるためのもので、それさえも利用されるとなれば、懲役刑のあり方を根本から覆すもので由々しき問題だ。ここまできたかという感がある。人権意識の高まりなど受刑者の気質の変化がそうした態度を取らせているのかもしれない。こうしたわがままを許してはならず、刑務所当局としては大きな課題を背負ったといえる」 ≪過剰収容 年々深刻に≫  刑務所の過剰収容問題は、近年の起訴人数の増加や刑期の長期化傾向などとあいまって、年々深刻化している。  法務省矯正局などによると、全国で六十七カ所ある刑務所(少年刑務所を含む)の平均収容率は、平成七年の79%に対して十六年は118%に達し、理想的といわれる「80%程度」にはほど遠い。各刑務所は定員六人の雑居房を八人部屋にしたり、独居房に二段ベッドを入れ二人部屋にするなどして対応している。  十六年版の犯罪白書は「刑務所の収容状態は過去三十−四十年間で最も厳しい状況」と指摘し、体制整備の必要性を強調している。  受刑者は、病気など特別な事情があるケースを除いて原則的には雑居房に入るが、トラブルや規律違反を犯すなど共同生活に不適格とみなされた場合は独居房に移される。本来的には懲罰的な意味合いが込められるが、増加する「雑居房逃れ」は、あえて孤独を望む傾向が強まっていることを示している。

刑政8月号でもこの話題があがっていましたね。刑政のほうは府中刑務所の作業拒否のケースです。

当然ながら、懲役刑を受けた場合、刑務所などで作業に従事することになっています。したがって、懲役受刑者の作業拒否は懲罰の対象となります。懲罰となった場合、たいていは軽へい禁が課せられて、昼夜独居になります。仮釈放が遅れるというマイナス点もあります。ただ、B級だと満期上等も覚悟の上でやっているのだと思います。

雑居房となった場合、1日中同じメンツと顔を合わせなければいけないと言うこともあり、それ自体がストレスにつながる場合もあります。房内での人間関係の構築がしんどいのでしょう。被収容者内では基本的には先に入ってきたモノがえらいという暗黙の了解があるので、ソリが合わないと大変なのでしょう。

学者の指摘もありますが、本来施設の秩序維持の役割もある懲罰制度が悪用されているという点で看過できないモノです。

はっきし言って、わがままもいいところ。娑婆でも刑務所でもわがままを通そうとする姿がかいま見えます。そもそも刑務所に入るようなことをしなければ、刑務所でイヤな思いをすることもないのに……

8月 18, 2005 News | | コメント (9) | トラックバック (0)

女性看守を停職処分 収容女性に好意、不正交友

 大阪拘置所は10日、拘置所に収容されていた30代の女性に偽名で電報を送り、受刑中も手紙のやりとりをするなど不正な交友をしていたとして、女性主任看守(41)を停職1カ月の懲戒処分にしたと発表した。  主任看守は既に辞職願を提出、同日付で承認された。「最初は女性から好意を寄せられ、その後、自分も好意を持った」と話しているという。  大阪拘置所によると、主任看守は2003年6月初旬ごろから同年7月にかけ、女性の母親に電話で連絡を取ったり、偽名で女性に電報を送ったりした。  同年8月ごろから04年6月ごろまで、女性の家族の名前を使い、刑務所に移った女性と手紙のやりとりをした。出所後の04年10月ごろから今年5月初旬まで、自宅で女性と同居していた。

私、この記事読んでため息しか出ないんですけど……。
主任看守となれば、やっていいことと悪いことの区別ぐらいはついているかと思ってました。主任看守と言うことは、拝命から15年以上は経っているはずで、女子の世界ではベテランですよね。

女区は女ばかりの世界ですから、被収容者が好意を職員に寄せるというのはあるでしょう。だけども、職員がその好意に応えるとは、やってはいけないことです。

身分帳見れば、緊急連絡用に親族などの連絡先を記した用紙もあります。そこに被収容者の女性の母親や親戚の連絡先が書いてあったのでしょう。拘置所の場合は、処遇部門ではなく、庶務課で身分帳が保存されていますので、女区に持ってきた際に閲覧したのだと思われます。

拘置所での偽名電報や、刑務所での親族なりすまし発信だけでも不正交友として職員事故になります。まして服役を終わった者を自宅で同居させるだなんて、言語道断です。出所者との接触は最小限に抑えなければならないのに、全く何をやっているんだか。よくこれで停職1ヶ月ですみましたね。

8月 10, 2005 News | | コメント (14) | トラックバック (0)

宣伝コメント・TBについて

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以上。

8月 9, 2005 | | コメント (2) | トラックバック (0)

選挙

本日、郵政民営化法案が否決されて、衆議院が解散しました。
これに伴って選挙が行われるコトになります。

ところで、未決被収容者には選挙権があります。
したがって、選挙に向けて施設側はいろいろと準備をしないといけないのですよ。

まず、投票意思の確認。そしてそのとりまとめ。
投票当日の連行・立会。

今回は、国政選挙なので対象者を絞る云々はないのですけども、地方選挙だと大変。選挙権の有無を確認したりもしないといけないですから……

未決を取り扱っている施設に勤務している方は大変だと思いますが、勤務に励んで下さい。
それと自分自身の選挙権の行使も忘れずに!

8月 8, 2005 初心者向け解説 | | コメント (2) | トラックバック (0)

越境者

最近の新聞で見たのだがはて、いつのだったのか。たぶん読売だと思うのだが……m(_ _)m

大阪拘置所に覚醒剤取締法違反で裁判になり収容されていた「男性」が、最近できたばかりの「性同一性障害者戸籍変更特例法」(だったっけ?)に基づいて、戸籍上「男性」から「女性」に変更し、それが家裁で認められたため正式に女性となったため、それまで男性のエリアにいたのが女性収容区域に「移動した」という。
男性は捕まる以前に性転換手術を受けて女性ホルモン投与などを受けていたが、捕まった時から「男性」として扱われて女性ホルモン注射も打てなくなり大変苦痛だったのだそうだ。で、実刑判決の可能性があったらしく、そのために戸籍上の性別を男性から女性に変更することを助言され、家裁に申し立てしていたのだそうです。
今は女性収容区域(ってまぁ、女区だよね)で生活し、必要だということで女性ホルモン注射も定期的に投与されるようになり、もし実刑判決が出れば、女性収容の刑務所に送られることになるという。拘置所の幹部曰く、「あくまでも戸籍により処遇を決めたまで」ということだそうだ。

TS(トランス・セクシャルの略。自分の性別に違和感を感じ、自分がもう一方の異性での生活をし、身体もホルモン投与から性転換手術まで、肉体そのものも自分の産まれたときの性別と違うと主張する人のこと)収容者というのは、今までもいたのでしょうが、実際戸籍が変えられる(条件付きだけど)法律まで整い、「性同一性障害」に対する法的整備、医療なども広く行われるようになった結果、こうした事例が登場したのでしょう。
もちろん、今まではTSの方はおそらく、戸籍上の性別に基づいて、実刑判決を憂ければ男性収容の刑務所に送られていたわけで……それは大変、苦痛だったことでしょう。
実際、私の知人の勤める女子少年院で、自分は本当は男なんだと主張する少年が入所してきて……で、恋愛対象は「同性」に向けられるため、処遇をどうしようかとかなり困ったらしい。鑑別所では単独室処遇で切り抜けたらしいのだけど……。様々な人がいて、様々な人が収容されるようになった矯正施設、それぞれの対応には苦慮することが増えたということですね。

8月 4, 2005 News | | コメント (6) | トラックバック (0)

女子施設の実情ってどんなもの

刑政2月号を読む限りでは、相当ひどいモノです。引用部分は、栃木刑務所職員との対談部分であがった声です。

過剰収容のため、職員の負担率は処遇部門で一人あたり九人にのぼっている。
後でも書きますが、女子施設の処遇部門は20代前半の職員が非常に多いです。上がどんどん辞めていっては 、新採用で若い子をとって、処遇部門に配置するからです。したがって、実際には中堅・ベテランクラスの負担はかなりのモノだと思います。
女子施設はA級もB級もL級もそしてM級もすべて収容しているので、処遇の負担が特に厳しい。
A級:犯罪傾向が進んでいない者(主に初犯)
B級:犯罪傾向が進んでいる者(主に累犯)
L級:執行刑期8年以上の者
M級:精神障害者
女子の被収容者はW級として分類され、上記した収容分類級の者が全て対象となります。一応、A級とB級については工場ごとに分けてはいるのですけども、それすらも混合している場合もあります。
男子刑務所では上記した収容分類級ごとに施設が違いますので、一貫した処遇がとりやすいですが、女子施設はごちゃ混ぜなので、一貫した処遇というのがとりにくいです。
F級は全体の二〇%を超えており、その比率は国際対策室のある府中刑務所よりも多い。
F級は在日を除く外国人のことです。女子施設では栃木刑務所に一括収容していました。 日本の文化と違う生活文化を持ち、言葉もろくに通じない連中が全体の1/5以上居る。確かに語学研修を受けた職員も居るのですが、大半はそうではありません。
この点に関しては、拘置所の女区でも同様です。拘置所の場合はもっと悲惨で、雑居部屋に日本人と一緒に入れて、面倒を見させていたというのが現状です。
夜勤班は四班あり、夜勤部長をやれる人は八人しかいない。今年は病院移送が多く、泊・非番・泊・非番・泊・非番でやっと休みという週が続いていた。週三回泊まりがあると、かなりつらい。
以前病院移送の話を書いたことがあるのですが、刑務所の場合はその日の夜勤者と非番者以外で担当することになります。したがって、こんな恐ろしいシフトになってしまうのです。
刑務所からの病院移送の場合、看守部長クラスが1名はつくことになりますので、看守部長のやりくりが非常に大変です。タダでさえ少ない女子の看守部長ですから。
私は、拘置所で看守部長になったので夜勤部長をやったことはないのですが、もし刑務所で看守部長になっていたら辞めるのがもっと早まっていたかも……
月二回から四回、工場担当が夜勤に入るため、非番の日は代理の者が工場にはいることになり、その結果、工場が落ち着かなくなって事故者が増える。
被収容者は、工場担当を絶対の存在として仰いでいます。大きな工場だと、正・副2名の担当がつきます。いつも担当してくれている職員がいないと言うだけで不安になったりもするのです。まして、代理で入る職員は工場での処遇に不慣れですから、担当ほどうまく処遇ができません。それ故に、工場が落ち着かなくなってしまいます。そして、なんらかのトラブルを起こして取調の対象になる被収容者(事故者)が増えるという結果になってしまいます。
将来の希望が持てない。拝命六年目で、現在辞めずに残っているのは十二人中五人だけである。
この数字はまだましな方だとは思うのですが、結婚退職などで気兼ねなく相談事ができる同期がどんどんいなくなっていくというのは辛いことだと感じます。女子施設は、ど田舎にあることが多くて男性との出会いの機会も少ないです。あと、人生設計のお手本になる先輩や上司がほとんどいないというのも将来への不安をかき立てる原因だと思います。
上がどんどんと辞めていくので、若年者が能力以上の重い仕事を任されるが、当人にとってそれは誇りではなく、苦しみである。
2年目程度の職員でも、日勤日に小さな工場の交代担当を任されたりします。5,6年目程度で夜勤者から小さな工場の正担当になったりというのが実情です。男子では絶対あり得ないと思います。ゆくゆくは工場の担当にとは思っていても、実績と自信が伴っていないと苦しいだけですね。
住環境がひどい。一つの官舎に三人で住むのはつらい。せめて一人の鍵のかかるプライベートな部分が欲しい。
女子施設にも独身寮はあります。しかし、絶対数が追いつかないのです。独身のベテラン看守・看守部長が住み続けているからです。拝命の浅い職員を家族用官舎に独身職員を2名ないし3名で住まわせているのが現状です。私も体験しましたが、気の収まる時間が余りなかったのが実情です。

8月 2, 2005 初心者向け解説 | | コメント (14) | トラックバック (0)