刑政2月号を読む限りでは、相当ひどいモノです。引用部分は、栃木刑務所職員との対談部分であがった声です。
過剰収容のため、職員の負担率は処遇部門で一人あたり九人にのぼっている。
後でも書きますが、女子施設の処遇部門は20代前半の職員が非常に多いです。上がどんどん辞めていっては 、新採用で若い子をとって、処遇部門に配置するからです。したがって、実際には中堅・ベテランクラスの負担はかなりのモノだと思います。
女子施設はA級もB級もL級もそしてM級もすべて収容しているので、処遇の負担が特に厳しい。
A級:犯罪傾向が進んでいない者(主に初犯)
B級:犯罪傾向が進んでいる者(主に累犯)
L級:執行刑期8年以上の者
M級:精神障害者
女子の被収容者はW級として分類され、上記した収容分類級の者が全て対象となります。一応、A級とB級については工場ごとに分けてはいるのですけども、それすらも混合している場合もあります。
男子刑務所では上記した収容分類級ごとに施設が違いますので、一貫した処遇がとりやすいですが、女子施設はごちゃ混ぜなので、一貫した処遇というのがとりにくいです。
F級は全体の二〇%を超えており、その比率は国際対策室のある府中刑務所よりも多い。
F級は在日を除く外国人のことです。女子施設では栃木刑務所に一括収容していました。
日本の文化と違う生活文化を持ち、言葉もろくに通じない連中が全体の1/5以上居る。確かに語学研修を受けた職員も居るのですが、大半はそうではありません。
この点に関しては、拘置所の女区でも同様です。拘置所の場合はもっと悲惨で、雑居部屋に日本人と一緒に入れて、面倒を見させていたというのが現状です。
夜勤班は四班あり、夜勤部長をやれる人は八人しかいない。今年は病院移送が多く、泊・非番・泊・非番・泊・非番でやっと休みという週が続いていた。週三回泊まりがあると、かなりつらい。
以前病院移送の話を書いたことがあるのですが、刑務所の場合はその日の夜勤者と非番者以外で担当することになります。したがって、こんな恐ろしいシフトになってしまうのです。
刑務所からの病院移送の場合、看守部長クラスが1名はつくことになりますので、看守部長のやりくりが非常に大変です。タダでさえ少ない女子の看守部長ですから。
私は、拘置所で看守部長になったので夜勤部長をやったことはないのですが、もし刑務所で看守部長になっていたら辞めるのがもっと早まっていたかも……
月二回から四回、工場担当が夜勤に入るため、非番の日は代理の者が工場にはいることになり、その結果、工場が落ち着かなくなって事故者が増える。
被収容者は、工場担当を絶対の存在として仰いでいます。大きな工場だと、正・副2名の担当がつきます。いつも担当してくれている職員がいないと言うだけで不安になったりもするのです。まして、代理で入る職員は工場での処遇に不慣れですから、担当ほどうまく処遇ができません。それ故に、工場が落ち着かなくなってしまいます。そして、なんらかのトラブルを起こして取調の対象になる被収容者(事故者)が増えるという結果になってしまいます。
将来の希望が持てない。拝命六年目で、現在辞めずに残っているのは十二人中五人だけである。
この数字はまだましな方だとは思うのですが、結婚退職などで気兼ねなく相談事ができる同期がどんどんいなくなっていくというのは辛いことだと感じます。女子施設は、ど田舎にあることが多くて男性との出会いの機会も少ないです。あと、人生設計のお手本になる先輩や上司がほとんどいないというのも将来への不安をかき立てる原因だと思います。
上がどんどんと辞めていくので、若年者が能力以上の重い仕事を任されるが、当人にとってそれは誇りではなく、苦しみである。
2年目程度の職員でも、日勤日に小さな工場の交代担当を任されたりします。5,6年目程度で夜勤者から小さな工場の正担当になったりというのが実情です。男子では絶対あり得ないと思います。ゆくゆくは工場の担当にとは思っていても、実績と自信が伴っていないと苦しいだけですね。
住環境がひどい。一つの官舎に三人で住むのはつらい。せめて一人の鍵のかかるプライベートな部分が欲しい。
女子施設にも独身寮はあります。しかし、絶対数が追いつかないのです。独身のベテラン看守・看守部長が住み続けているからです。拝命の浅い職員を家族用官舎に独身職員を2名ないし3名で住まわせているのが現状です。私も体験しましたが、気の収まる時間が余りなかったのが実情です。