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女子の世界でも暴力に走っている

9月29日号の週刊新潮p.61より。つい、ネタを書くために買ってしまった。今は反省していない。

和歌山刑務所は定員500人に対し、常時600人超で受刑者のストレスがたまり、喧嘩はもちろん、室内水道管の破壊、雑居房を抜け出すためにわざとガラスを割るケースが後を絶たない。刑務所側ではストレス解消策としてトイレの壁に消臭ペンキを塗ったり扇風機を入れたりしたほか、月2回、エアロビクス等の運動も取り入れ、去年はマツケンサンバを踊らせた。それでも受刑者は増える一方で、ストレス対策はいたちごっこの様相。

定員500名に対して、600名超ということは、120%以上の収容率ですね。独居も足りないことでしょう。
女子の施設は、なまじ開放的な分だけガラスとかも割りやすくなってしまってます。男子のO級ぐらいの建物構造と警備だと思っていただいていいかと思います。

暴力でしかストレスが発散できない受刑者は哀れだと思います。けど、娑婆ではストレスの発散を薬物などにぶつけていただけの受刑者も多いかと思います。
ストレスに対していかに向き合い、いかに発散していくのかを指導していくのも刑務官の役目だと思います。収容しているだけで精一杯な状況下では難しいのでしょうけども……。

刑務官のほうもストレスがたまっていくばかりでしょうけど、うまく発散する術を身につけて乗り越えていっていただきたいと思います。
メンヘラーな私が言うのも何ですけど、一つは職場外の人間とのつきあいを持つこと。もう一つは、趣味を持つことだと思います。できれば、身体を軽く動かした方がいいのかな。心身共に元気な人のパワーを分けてもらって生き抜いていけばいいと思います。いつも仕事のことばかり考えていては苦しいだけだと思います。

現職の皆さんは大変でしょうけども、刑務官としての誇りを忘れず勤務に励んでいただければと思います。

9月 27, 2005 | | コメント (12) | トラックバック (0)

未決の入浴日は大わらわ

夏場は週3回、冬場は週2回の入浴が実施されます。入浴のない平日は運動日になります。拘置所の女区レベルだと運動・入浴担当というようになります。私が勤めていた拘置所はそこそこの規模でしたので、日勤の担当者が割り当てられていました。

女子の場合、まず何がやっかいかと言えば、生理があることなのですよ。
生理の被収容者は生理入浴といって、最後に入浴させますが、雑居の場合誰と誰を一緒にさせるかで頭を悩ませたりします。まあ、刑務所でも生理入浴はあります。

入浴日の一日は以下のような感じです。
まず、出廷や検察庁のスケジュールを確認。そして、各居房を回り、生理入浴者の確認。
そして8:30から入浴開始ですが、被収容者の入浴時間は、風呂場に着いてから、風呂場を出て行くまで15分ですから、その間に着替えさせて身体や髪を洗わせます。
なお、入浴の順番は舎房ごとに順送りにしていました。

ところが、一筋縄ではいかないですよね。まだ娑婆っ気が抜け切れていないのか、お湯は使い放題使おうとするし、時間にもルーズ。毎度毎度被収容者とのバトルでした。「お湯使いすぎ!!!」「後5分〜!」「はよあがりなさい!!」とか声がかれそうに。

夏場の雑居用風呂場(定員6人)はボイラー式なのでまさしくサウナ状態。長靴を履いて勤務するのですが、連行時に廊下を歩くときが天国のようにも思えましたね。冬場は暖かくていいのですけどね。湯加減とかも難しかったです。前の組で使った分だけ、連行中にお湯は足さないといけないので。

シャンプーを持っていない被収容者には、市販のリンスインシャンプーを水で半分に薄めたモノをあげたりもしてましたね。(せこい)

そして未決の場合は、出廷だの面会だので被収容者が何かと居室外に出るので大わらわな状態です。
そう、運動は外すことができても、入浴はさせなければいけないので……
入浴担当者の真の敵は、入浴させようとしたときに来る一般面会、弁護士面会、検察官取調。特に、弁護士面会と検察官取調はいつ戻ってくるのかすら予想がつかないため、泣かされることがたまにありました。

過剰収容が本格的になってからは、主任さんなどにも手伝ってもらって、雑居(入浴係が担当)・独居同時進行して、それでも終わるのが、16:00ギリギリということもありました。雑居生活にちょっとだけ適応できない独居の被収容者をまとめて雑居風呂に入れるなんてこともやってました。
16:00になるとボイラーが止まってしまうのですよ。そして、夕食の配食が始まる時間でもあります。

とこんな感じで入浴日の1日は過ぎていくのでした。

9月 24, 2005 日記・コラム・つぶやき | | コメント (15) | トラックバック (0)

行刑施設外の協力者

行刑施設の運営は、施設内の職員だけで完結するモノではありません。
教育、作業、医療の部門では、外部の人たちのお世話になっています。(新法では外部の人間による運営委員会が設置されます)

教育関係ですと、教誨(きょうかい)で訪れる宗教家、地域の名士。篤志面接委員の方々。慰問に訪れるボランティアや有名人などの方々。受刑者に手芸(女子なので)や点字などの指導をしてくれるボランティアの方々。
なお、教誨とは教え諭すと意味です。宗教教誨と一般教誨があります。宗教教誨は被収容者(被疑者除く)の願い出によって行われます。一般教誨は受刑者を対象として行われます。

作業関係は、刑務作業やを発注してくれる業者であったり、そこの作業指導員。また構外作業で働く場を提供していただいたりしています。

医療の分野だと、外部から招聘する各科の医者の方々。外医治療(注1)、自費治療(注2)、病院移送で協力していただく病院及びそのスタッフ。
(注1)外医治療は治療のために特に必要のあると認めた場合に行刑施設の長が施設外の医師に、その治療の補助をさせることをいいます(監獄法施行規則117条第1項)。女子の場合は産婦人科関係が多いです。
(注2)自費治療は、病者の費用で、病者の指定する施設外医師に治療の補助をさせることをいいます。病者の請求があるときは情状によって許すことができます(監獄法42条)。薬品については自費購入を認めていません。

このように、行刑施設外の人々の協力もあって、行刑施設は運営されているのです。ありがたや。

9月 21, 2005 初心者向け解説 | | コメント (0) | トラックバック (0)

糖尿病治すなら"塀の中"!?

日経の記事で発見。http://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID/onair/kenkou/plus/396781

糖尿病にも種類があるのですが、日本人が患いやすいのは2型糖尿病です。インスリンの分泌量が少なくなったり、インスリンの働きが悪くなったりするものです。生活習慣が要因と考えられ、中高年に多くみられます。

記事中では、2型糖尿病が塀の中の生活で改善されているという内容です。(by福島刑務所)

被収容者の1日の摂取カロリーは労働負荷によってA〜Cの3種類(男女別)に分かれています。重労働に就いている受刑者は高カロリー、軽作業や未決被収容者はカロリーが抑えられます。ご飯の量で調整しているのですけどね。
糖尿病や高血圧などの成人病を患っている場合には、減塩食やカロリー減食(おかずの方でも調整)が提供されます。

刑務所で被収容者向けに出されるご飯は、特別な時を除いては麦飯です。米:麦=7:3です。俗に言う「くさい飯」なのですが、栄養的には白飯よりかはバランスが良いそうです。食物繊維も多いらしいです。
娑婆でも麦は売っていますが、米よりかは高いのですよ。塀の中のご飯を白飯にすれば経費は抑えられるのでしょうけどね。

健康のためには規則正しい生活と食事が大切なのでしょうね。酒・タバコもないし。

刑務官には無理な話ですけど……現役の頃、被収容者の方がよほど健康的な生活をしているのじゃないのかと何度思ったか。飲み会や受動喫煙もないし、3食バランスとれた食事が上げ膳据え膳だし。

9月 16, 2005 初心者向け解説 | | コメント (11) | トラックバック (0)

階級と専門官制度

まず、階級から説明します。
上から順に、

  • 矯正監
  • 矯正長
  • 矯正副長
  • 看守長
  • 副看守長
  • 主任看守部長:現在は命ぜられていない
  • 看守部長
  • 主任看守
  • 看守

刑務官採用試験で拝命した刑務官は看守からスタートします。その後、昇進ということになります。
昔は試験(中等科もしくは内部昇進試験)を受けないと昇進しなかったのですが、今は拝命から一定年数を経過することで、試験を受けなくても副看守長までは昇進することが可能です。(注:年齢も加味されます)

階級は階級章と袖の線(合夏服・冬服)でわかるようになっています。ちなみに、銀線→看守部長、金線→副看守長以上です。看守は真っ黒な線が入ってるだけ。

一方で、専門官制度というのがあります。拝命年数・年齢に伴う昇進制度が導入された関係で導入された制度です。
上から順に、

  • 首席矯正処遇官(課長相当)
  • 次席矯正処遇官(一部巨大施設のみ)
  • 上席統括矯正処遇官(課長補佐相当)
  • 統括矯正処遇官(課長補佐相当)
  • 主任矯正処遇官(係長相当)
  • 矯正処遇官

となっています。階級との対応表は以下のようになります。

専門官制度と階級の対応表
首席矯正処遇官 矯正副長・看守長
次席矯正処遇官 矯正副長
上席統括矯正処遇官 看守長
統括矯正処遇官 看守長
主任矯正処遇官 副看守長
矯正処遇官 副看守長・看守部長
看守や主任看守は専門的な知識を持っていないとされているので、専門官制度の適用外です。また、拝命年数で昇進した副看守長や看守部長の場合もより上級の専門官になることができない場合があります。 ちなみに、私の場合は中等科卒の看守部長でしたので、矯正処遇官でした。名刺にも、矯正処遇官の官職が入っていました。

ややこしいことに、役所内では、看守と矯正処遇官は階級で呼びますが、主任矯正処遇官以上は、「主任」「統括」「首席」などと呼ばれます。同じ階級でも上下がありますし、同じ矯正処遇官でも階級が違ったりするのです。

ということで、基本的には階級が上の人の方が職務上えらいということですが、階級が同じの場合は専門官制度でより上位の職にある人の方が職務上えらいということになります。

9月 1, 2005 初心者向け解説 | | コメント (7) | トラックバック (0)