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刑務官の休暇

刑務官の休暇にはいくつか種類があります。普通に勤務していて縁があるのは、有給休暇と夏期休暇でしょう。

有給休暇は、4月1日で年度分の有効分が20日あります(新拝命の場合は時期に応じて減る)。それに前の年度の繰り越しが最大20日まで認められます。これをきけば、ああ、公務員なんだと思うでしょう。

ところが、刑務官の有給休暇消化率は非常に悪いです。統計的数字は忘れましたが、2日台だったと思います。それも計画年休の基に消化されるものです。
民間や他の公務員と違って、シフトがでてから、あらかじめ申し出て休みを取るというのは嫌われるのですよ。ましてや病気でいきなり休む(通称:ポカ休)は、配置係だけでなく、現場の職員全員に響くのでなおさら嫌われます。
なぜなら、現場の刑務官の仕事は、一定期間に一定量の仕事をこなせばいいというスタイルではなく、日々決まった仕事をこなすスタイルだからです。つまり、働く人がいなければ話にならないのです。

夏期休暇というのは7月から9月までの3ヶ月間に3日間認められている夏休みです。夜勤者であっても連続してとってもかまいません。この場合の夜勤代務は日勤者がしてくれます。年休と通常の休みを組み合わせると最大9連休なんてこともできます。
施設の都合によってはバラバラにとらされる可能性がありますが……。

軽い発熱(業界では熱発:ねっぱつと言います)、この程度では被収容者は休めても刑務官は休めません。出てこい!といわれるのが落ちです。そう、職員の人権なんて、被収容者以下と思うのはこういうときなのですよね。

刑務官って休めないものだと思っておいてもいいです。

10月 31, 2005 日記・コラム・つぶやき | | コメント (7) | トラックバック (3)

2次試験合格したらやって欲しいこと

2次試験合格発表までにはもう少し時間がありますが、合格したときにやって欲しいことをあげます。

1つ。自動車免許を取ること。
刑務所勤務となった場合、交通の便があまり良くないところに施設があります。買い物するにも車がないといけないようなところもあります。拘置所勤務の場合は比較的市街地にあるのでいいのですけども……
自動車免許は取得するのに時間がかかります。拝命してからだと、自動車学校には通えないと思って下さい。んな暇・体力ありません。
ただし、車を買うのは拝命が決まってからで十分です。施設側の都合で自家用車がおけない場合もあるからです。それでも、原付があればなんとかなります。とにかくエンジンで動く移動手段を確保しておいて下さい。

2つ。ランニングの習慣を身につけること。
逃走事故などがあった場合に走って追いかけるということはあります。また、緊急時(=非常ベルが鳴ったとき)には現場まですぐ走って駆けつけることも要求されます。
最低でも5kmは余裕で走れないと厳しいかと思います。追いついても被収容者を捕まえる余裕がなかったり、現場でゼイゼイしているようではダメです。
もし、体育などから長く離れていた場合は、1km程度のウォーキングから始めて下さい。急に5km走れ!と言われても走ることになれていなければ無理です。
また、ランニングが訓練の一環としてもうけられる場合もあります。(特に男子施設での拝命の場合)
私は学生時代から走るのが大嫌いで苦労しました。この項目は私と同じ間違いをしないようにとの意味合いがあります。

3つ。古文のおさらい。
受刑者処遇法は現代文で書かれているはずなのになぜ?と疑問を抱いた人は右下の「元・女子刑務官Blog参考資料」内の「刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律」を読んで下さい。この法律は現行監獄法から受刑者に関する部分を取り除いた法律で、未決被収容者に適用されますが、旧仮名遣いで書かれています。読み慣れていないと研修で苦労します。

今回のアドバイスは個人的に気のついた点だけ取り上げていますが、他に気がついた点があれば補完よろしくお願いします。 >現職・元職の方々

10月 25, 2005 日記・コラム・つぶやき | | コメント (11) | トラックバック (0)

首つり自殺

刑務所や拘置所内では時折、首つり自殺が発生します。
既遂に至ると、刑務事故になってしまいます。

首つり自殺というと、高いところからクビを引っかけてと言うパターンを想像される方が多いかと思いますが、以下で取り上げるようなうつぶせ型とか、座って腰浮かせた状態でというパターンもあります。

先日の毎日新聞の記事で、19才の少年が独居房で首つりというのがありました。

千葉刑務所(千葉市若葉区)は15日、被告として収容中の少年が独居房で首つり自殺した、と発表した。同刑務所によると、14日午後10時41分ごろ、少年が房内の洗面台の蛇口にトレーニングウエアのズボンをかけて首をつり、うつぶせになっているのを巡回中の看守が発見。搬送先の病院で死亡が確認された。

被収容者が居房に持ち込むモノにはひも状のモノは入れません(ex.ベルト、スエット下のひも)。
しかし、今回のようにトレーニングウェアのズボンやステテコ類は自殺の道具に使われることが多いです。衣類ですから引き上げるわけにもいかず、頭の痛いところです。

私が現役時代に遭遇したのは、柵にステテコをくくりつけてのパターンでした。日勤の仕事を終わって、「さぁ、帰ろうか」というときに、「ジリリリリリ……」と非常ベルの音。
初等科集合研修に行く前の後輩が第一発見者で、非常ベルを押しました。駆けつけた頃には、もうクビから衣類ははがれていましたが(おそらく、自殺を図った本人が自主的に止めた)。この一件で後輩は管区長表彰を受けたのですけどね。
その後は保護房に革手錠(注:現在は使えません)をつけて収容。保護房を出た後もTV視察でした。

今回の千葉のケースでは、少年であったことから拘置所生活や予定外に重い求刑(無期懲役)が来たのが堪えたのかも知れません。少年と言うだけでもやばい身柄なのですが、やばそうな身柄に対しては動静視察をまめに行うしかありません。

死んでしまったモノは仕方ないですから、千葉刑務所に対しては、同種の事故を起こさないようにして頂きたいものです。

10月 17, 2005 日記・コラム・つぶやき | | コメント (11) | トラックバック (1)

刑務官採用試験第1次試験合格発表

本日、刑務官採用試験の1次試験の合格発表がありましたね。
今はネットでもわかるんですね。便利な時代ですな。

受験区分によって、合格倍率がてんで違う気がするのは気のせいですか?足切り制だからなのでしょうけど。
http://www.jinji.go.jp/saiyo/shiken131.htm

合格された方、ひとまず第一関門通過おめでとうございます。
来るべき2次試験に備えて、体調を整えていきましょう。
体力検査に不安のある方は、今のうちに鍛えましょう。
視力が下がっていないかも今のうちにチェックしておきましょう。

最終合格をめざし、ベストを尽くして下さい。

10月 7, 2005 日記・コラム・つぶやき | | コメント (12) | トラックバック (0)

窃盗罪に罰金刑導入検討

すでに、いろんなところで報道済みですが、現在懲役10年以下としか定められていない窃盗罪に、罰金刑を導入する動きがあります。

現在の刑事政策上、罰金刑に関しては、正式裁判か微罪処分・起訴猶予かの両極端です。ゆえに、微罪処分・起訴猶予を何度も繰り返して、やっと正式裁判にかけられるというのが現状です。

これに罰金刑を導入することで、窃盗罪の抑制を図ろうとしているのですが、本当に効果があるのかは疑問です。お金がないから窃盗をする連中、依存的に窃盗をする連中、いずれにも効かない気がします。

罰金刑が導入されたら、懸念することが一つあります。それは、未決受け入れ施設の収容率増加です。
罰金刑を言い渡されて、罰金を納めなかった場合は労役場留置となるのです。この労役場留置に指定される場所は、拘置所・拘置支所なのですよ。
刑務所の過剰収容は統計として現れるのですが、拘置所の場合人員の流動が激しいのもあって統計には乗りません。しかし、収容率からすると刑務所並みと考えても良いかと思います。高等裁判所管轄の事件も受け入れている施設では120%は固いと見ます。

労役場留置者の処遇というのは受刑者とそう大差ありません。お金が払えない代わりに、1日何円といったレートに基づいて決められた日数の間、居房内で刑務作業をするわけです。
朝食後、作業台と材料を居房に搬入して、夕食配食前に作業台と材料と成果物を引き上げます。人数が増えると、管理が大変なのですよね。舎房の正担当がやるのですけども。

刑務官の頭痛の種がまた一つ増えるのだろうかと思うと、南無ー。

10月 7, 2005 日記・コラム・つぶやき | | コメント (0) | トラックバック (0)