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確定から執行、平均7年5カ月=拘置20年超の死刑囚も-法務省

時事通信社の記事から。

 法務省の小津博司刑事局長は26日の参院法務委員会で、死刑判決が確定してから執行されるまで平均7年5カ月かかっていることを明らかにした。1996年から2005年までに執行された元死刑囚について調べた。
 死刑執行には、法相が命令書に署名することが必要で、刑事訴訟法は再審請求などがあった場合を除き、判決確定から6カ月以内に命令しなければならないと規定している。小津氏は、執行の遅れについて「人命を奪う刑罰のため、機械的に6カ月以内に執行することが妥当を欠く場合もあり、慎重を期している」と説明。再審請求中などの理由で、数人の拘置期間が20年を超えていることも明らかにした。

死刑というのが生命刑である以上、再審請求中などの確定者に対して慎重を期すのはわかるのですが、そうでない確定者に対しては疑問に残ります。
記事中にもあるように、法務大臣が命令書に署名しないといけません。前の大臣は個人的理由で任期終了間際の駆け込み的なサインすらしませんでした。したがって、再審請求を行っていない確定者も生き続けている現状です。

現在の死刑確定者のリストは、「死刑確定囚リスト」というページでわかります。1993年3月26日以降に死刑確定した者が掲載されています。

これを見れば、大阪教育大学付属小学校事件の吉岡守(旧姓宅間)が刑確定から6ヶ月は超えたといえ、いかにスピード執行だったかがわかるでしょう。

死刑という生命刑を受けることを受容した者が、どういう気持ちで日々を過ごしているのだろうかとも思ったりします。特に、控訴取り下げた確定者ですね。
一方で、そういう人を処遇する現場の刑務官、特に舎房担当者がどういう気持ちで処遇にあたっているのかと思うと、心苦しくなります。

なお、現在、女子の死刑確定者(未執行)は以下のとおりです。確定順です。
諸橋昭江(東京拘置所):偽装夫殺害事件
永田洋子(東京拘置所):連合赤軍事件
藤波知子(名古屋拘置所):警察庁広域重要指定111号事件、旧姓は宮崎。
坂本春野(大阪拘置所):高知連続保険金殺人事件
石川恵子(福岡拘置所):宮崎2女性殺人事件

ちなみに、戦後の女子死刑確定者は、確定順に以下のとおり。「事件史探求」を参考。
山本宏子(大阪拘置所):兵庫・菅野村老婆殺人事件、昭和53年病死。
杉村サダメ(福岡拘置支所):女性連続毒殺魔、昭和45年9月19日刑執行
小林カウ(東京拘置所):ホテル日本閣殺人事件、昭和45年6月11日刑執行
日高信子(札幌拘置支所):夕張保険金6人放火殺害事件、平成6年8月1日刑執行
諸橋昭江(東京拘置所):偽装夫殺害事件、再審請求中
永田洋子(東京拘置所):連合赤軍事件、再審請求中
藤波知子(名古屋拘置所):警察庁広域重要指定111号事件、再審請求中、旧姓は宮崎。
坂本春野(大阪拘置所):高知連続保険金殺人事件、77歳で死刑確定。
石川恵子(福岡拘置所):宮崎2女性殺人事件


ここから下は、死刑確定者ではありません。
現在、最高裁係属中の女子被告(高等裁判所:死刑判決)
林真須美(大阪拘置所):和歌山毒物カレー事件
風間博子(東京拘置所):埼玉愛犬家殺人事件
江藤幸子(仙台拘置支所):須賀川祈祷による信者殺人事件
吉田純子(福岡拘置所):看護師連続保険金殺人事件

現在、高裁係属中の女子被告(地方裁判所:死刑判決)
緒方純子(福岡):小倉監禁殺人事件
北村真美(福岡):大牟田市4人連続殺害事件

7つある死刑執行施設で、今女子の確定者もしくは係属者いないのは、札幌と広島だけですか。

10月 26, 2006 News | | コメント (6) | トラックバック (0)

教誨師への謝礼の助成90万円、着服か 京都刑務所

朝日新聞より。
ソース:http://www.asahi.com/national/update/1025/OSK200610250035.html

 京都市山科区の京都刑務所で、受刑者の更生を促す教誨師(きょうかいし)らへの謝礼などに充てる助成金約90万円の使途が不明になり、私的に流用された疑いがあることがわかった。内部調査を進めている同刑務所と法務省大阪矯正管区は「調査結果を踏まえて、適切に対処する」としている。
 同刑務所によると、受刑者への教育を担当する「教育部」(10人)で、03~05年度の帳簿などの書類に不適正な事務処理が見つかった。民間企業でつくる「京都府矯正施設教化事業協力会」から毎年助成される約45万円のうち、教誨師らに渡す謝礼金約30万円の3カ年度分が使途不明になっているという。
 同市伏見区の京都拘置所でも、昨年度だけで公金や助成金計十数万円が私的に流用されていた疑いが表面化している。

お金回りの事件って、時々出てきますね。だから、その都度お達しが来るし、お金を扱う部署に長期間就けないようにしたりしている訳ですが、根絶しませんね。

受刑者の更生を手助けしてくれる団体からの金の使途不明って、一般社会で受刑者の更生を支えようとしている人たちの善意をメチャクチャ踏みにじっているよ。
これでお金出してもらえなくなるだけだったらまだいいよ。
受刑者の更生を支援する外部の人が減ったらどうするんだよ!

それにしても、京都って、市の役所だけでなくて、国の機関も腐ってるのか。
市の役所は今年だけで12人も逮捕者出ている。
京都拘置所は移送した身柄がシャブもっていたわ、金の問題も出てきている。
京都刑務所はWinnyで受刑者情報流出させたり、今回の事件ですよ。

10月 25, 2006 | | コメント (3) | トラックバック (0)

拘置所で覚せい剤所持 「大阪」に移送の女

Yahoo!トピックス経由、京都新聞京都面から。
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2006101300009&genre=C1&area=K10

 京都拘置所(京都市伏見区)に拘置されていた30代の女の被告が、移送先の大阪拘置所(大阪市都島区)で所持品検査を受けた際、衣服から覚せい剤が見つかっていたことが、12日に分かった。被告が京都拘置所内で覚せい剤を何らかの方法で入手した疑いが強く、京都府警が捜査している。
 京都拘置所などによると、被告は刑事事件の一審判決後に控訴したため、10月4日午前に大阪拘置所に移送された。同拘置所が被告の所持品を調べたところ、ズボンのポケットからビニール袋1つと紙包み2つに入った少量の覚せい剤が見つかり、警察に通報した。
 京都拘置所によると、収容者の所持品検査は通常、入所時と退所時に行う。差し入れ品についても、薬物や危険物が紛れ込んでいないかを念入りに調べる、という
。  被告は共同室や1人部屋に拘置されていた。移送前の所持品検査では異常はなく、被告を乗せた護送バスは大阪拘置所に直行した、という。
 京都府警によると、被告は調べに「知らない」などとあいまいな供述をしている、という。
 京都拘置所の辻本隆一総務部長は「検査体制が十分でなかったことは否定できない。調査の結果、問題点が確認されれば適切に対処したい」と話している。

大阪拘置所女区Good Job!といいたいのですが……

あー、今回衣服から見つかったというのは非常にまずいですよ。
新入時からその服を持っていたのか、差し入れされたのかわからないですけどね。
どのみち検査をすり抜けてしまったのには変わりないですから。
責任の所在が変わるだけでして。

10月 13, 2006 News | | コメント (3) | トラックバック (0)

2つの自殺と刑務官の仕事

大阪拘置所での収賄事件で看守部長が自殺。これは前のトピックのコメントで取り上げています。

岐阜刑務所でも、刑務官の自殺がありました。
Yahoo!トピックスから。ソースは時事通信。

刑務官が自殺=職場で悩み抱える?-岐阜

 3日午後4時50分ごろ、岐阜県郡上市和良町土京の国道脇で、男性が車にもたれ掛かって死んでいるのを、通り掛かった男性が発見、郡上署に通報した。死亡したのは同県美濃加茂市に住む岐阜刑務所刑務官(45)で、車内の取っ手にロープを掛けて首をつっていた。
 同所は男性が自殺したとみて調べている。
 調べによると、男性刑務官が1日夜、帰宅しないため、家族が加茂署に届け出た。家族の話では、男性は、同僚らから職場のトラブルについて疑いを掛けられていると漏らしていたという。

岐阜刑務所といえば、先月刑務官の個人情報が受刑者に漏れていたという話がありましたね。
それがらみでおそらく施設側から取調を受けていたのではないかと思います。


さて、刑務官の仕事とは何でしょうか。
まず、法務省矯正局の刑務官採用試験のページを見てみます。

やさしさと厳しさをもって,罪を犯して収容された人に,考え方・ものの見方のアドバイスや悩みごとに対する指導などを通して,再び過ちを繰り返さないよう指導することを使命とし,併せて刑務所・拘置所等の保安警備の任に当たります。

まあ、間違ってはいません。説明不足ですけど。

「再び過ちを繰り返さないよう指導すること」
それは、受刑者に生きて更生してもらうことを意味します。更生へのプロセスで罪の償いというのも出てきます。
未決の場合、矯正教育を施すことはできません。ただ、収容されている間に罪の償いをする意識が出てくることもあります。

そして、保安警備という観点からみます。
刑務所であれば、受刑者に対する懲役刑・禁錮刑の執行がメインです。
拘置所であれば、勾留の執行場所を提供し、未決被収容者に裁判を受けてもらうことがメインになります。
どちらにしても身柄の確保ですよね。
だから、被収容者に自殺既遂されるというのは非常にまずいことなのです。

前のトピックのコメントでも書きましたが、
刑務官というのは、被収容者に生きることを強要する立場なのですよ。
死刑確定囚に対しても、死刑執行命令書による刑の執行を為すまでは生きてもらわないといけないのです。
施設内で勝手に死ぬことを許してはいけない立場なのです。


私自身、自殺未遂の経験があるので、あまりえらそうには言えない。
やらかしたとき、自分の立場のことなど全く考えていなかった。
家族や友人達が悲しむであろうことなんてこれっぽっちも考えていなかった。
とにかく自分を取り巻く状況から逃げたかった。
本当に身勝手だった。

この2つの自殺で取り残されたご家族の方は、どのように思っているのだろうか。
それを思うと、非常に胸が痛む。
そして、自分がいかに愚かであったことをも痛感するし、刑務官の仕事を続ける資格などなかったというのも痛感している。

辛くなって、本当に仕事を続けられないのなら、刑務官の仕事から逃げてもいい。
もし、刑事罰を犯してしまったら、それは生きることで償って欲しい。
でも、生きることから逃げないで欲しい。

10月 4, 2006 日記・コラム・つぶやき | | コメント (8) | トラックバック (1)