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過剰収容の影響

 ゲストライターのlechugaです。

 全国の刑務所が過剰収容状態にあることは、マスコミ報道などでご存知の方も多いと思います。
 どこの施設も収容率は120パーセント前後で、6人部屋に8人収容や3畳一間に2名収容などしていますし、新しい刑務所も建設されていますがそれでも苦しい現状にあります。

 このような状況でも一般人にはあまり関係がないと思われがちですが、順に考えていくとこうなります。

 刑務所が過剰収容状態にある。新しい受刑者を受け入れる余裕はない。そのため、被告の刑が確定しても拘置所から刑務所に移送できない。拘置所には移送待ちの受刑者が多数残っているため、留置所から新しい被告を受け入れることができない。留置所もこのため満員になる。

 事実、全国の拘置所も留置所も過剰収容状態にあります。

 ここからは噂ですが、留置所が満員になるとどうなるか。被疑者を逮捕しても収容するところがありませんし、廊下で寝起きさせるわけにもいきません。
 一番簡単な方法は、「逮捕しないこと」である、という話を聞いたことがあります。事件と犯人が明らかになっていても、全ての犯人を逮捕していると収容しきれないために放っておく。
 あくまでも噂ですが、犯罪の検挙率が低下している理由の一つにこういう事情があると考えると、刑務所の過剰収容の問題は善良な一般人にも身近に感じていただけるのではないでしょうか。

4月 1, 2007 |

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コメント

そういえば、大阪では一昨年ぐらいに府知事が留置所が足りないと言ってましたね。

もちろん、拘置所は定員オーバーなので、接見禁止・少年・死刑確定囚(それに準じる者も含める)などどうしても独居拘禁にしなければいけない身柄以外は積極的に雑居房行きにせざる得ない。

私が現役の頃ですら、定員6名の雑居房に8名、9名はやっていましたね。

当時、折り悪く和歌山刑務所改築中で、受刑者の移送すらままならない状況でした。岩国刑務所にも移送したりしていましたが、それでも拘置所に人多すぎ状態なので、警察・他の未決施設からの移入もままならない状態でした。

未決の場合は、収容率という数字は出さないので問題が表面化しない。

いくら厳罰化したところで、受け入れるべきスペースと管理に要する人員がなければどうしようもないですよね。未決に関して言えば、裁判がスムーズに進むだけの人員もいないと難しいですね。最低でも3回は公判がありますから。

噂が本当だとすると、日本の安全神話も本格的に崩壊ですね。

投稿 管理人 | 2007/04/02 0:01:43

 実は、もう一つ簡単な解決法があります。単純に「入らないなら、出してしまえ」という発想で、仮釈放を乱発するというものです。アメリカでこれをやった結果、重犯罪でも数年辛抱すれば出所できるようになり、犯罪抑止力が低下したとの報道を見たことがあります。

 日本の安全神話もそれなりの施設や人員あってこそのものだったわけですが、今や両方とも危機に瀕しています。その実態を一般の人はあまり目にすることがないまま、現場だけが焦っているような状況に解決策はあるのでしょうか。

投稿 lechuga | 2007/04/02 0:49:48

留置場に関して、逮捕した所轄の留置場が満員の場合、僅かでも空きがある所轄の留置場に移送収容されることがあります、取調べは逮捕した所轄に連行して行います、取調べに連行する時間を要してしまい、取調べの時間が少なくなり捜査の進行に影響が出るケースが見られるようです。
東京都は、原宿に留置センターの建設計画を打ち出しましたが、地元からの強い反対を受け、計画は中断しているようです。

拘置所・刑務所の過剰収容、ある意味での解決策?、執行猶予の判決を乱発することでしょうか?
被告と検察が控訴・上告しない限り、被告は拘置所から出られる、刑務所にも行かない、ただ親告罪の被害者が勇気を出して刑事告発したにも関わらず、執行猶予で犯人が娑婆に戻るケースは被害者にとって第二の悲劇になるかと思います。

投稿 元職員 | 2007/04/02 22:11:15

最初のコメントの時に書くかどうか迷ったことはお二人のコメントでかかれています。
社会内処遇に頼る方法ですね。lechugaさんが仮釈放について取り上げていますし、元職員さんが猶予判決の連発。あと、あげるとすれば、微罪処分や起訴猶予と言ったところでしょう。

留置所でも移送収容があるのですか。これは初耳でした。

投稿 管理人 | 2007/04/03 12:55:11

本当に過剰収容は全国の共通問題なのでしょうか。例えば美祢の第三セクター方式の刑務所、あれだけの経費を費やして予定する収容人員に達しないだろうから、会計検査院に対してどう説明するかが水面下で問題になっていると聞きます。
また、いかに過剰収容を大義名分にしても、拘置所は検察庁から管区、施設長に正式に移監の申し入れ、要請があれば断れないのがルールのはずです。
現在は名籍係を窓口にして処遇現場だけの意見を基に警察と移監の調整をし、処遇の意見だけで移監を断ったりしていますが、そんなものはいつまでも通用はしません。
また、未決が主体の拘置所は仮釈促進というテクニックも使えません。
独立した裁判所が過剰収容を考慮して執行猶予を増やしたりすることもあり得ません。
過剰収容故に収容、釈放が調整されているなと感じるのはB級でも仮釈放率が上がっているということくらいで、第一、過剰収容が本当に業務を困難なものにさせているのかどうか、5時半になったらダーと帰る処遇の中間幹部職員を見て民間委託の人たちすらもあきれかえっており、これでは一般の理解は得にくいのではないでしょうか。過剰収容の問題は偏った一部の施設に負担が集中しているだけのような感じがします。

投稿 現職くん | 2007/04/07 23:04:20

 >現職くん様
 
 平均収容率はかなり前から120パーセント越えしていますよね。美祢やその他の新設刑務所はまだ慣らし運転中で、定員いっぱいの収容はまだ先のことになるでしょうが、その分のしわ寄せが他の施設の収容率を上げています。130パーセント越えの施設もありますね。

 現状は、現職くん様のおっしゃる「偏った一部の施設」が大半です。現場を見ておられるなら、そう感じることはありませんか。

投稿 lechuga | 2007/04/08 22:46:16

lechuga さん
美祢は本当に当初予定している収容人員を見込めるのでしょうか。収容予定の超A級なんてそんなにいます?
人員が少なければ我々はそれでいいのですが、経費を負担している納税者、それを監視している会計検査院はどう思うのでしょうか。
参入している民間業者も予定収容予定人員を賄える従業員を確保して入札していようし、そういう状況で「美祢は慣らし運転中でそのうちいっぱいになります。」という答弁が130パーセント超えの施設がある現状で通用するのでしょうか。

投稿 現職くん | 2007/04/10 21:53:22

 現職くん様

 A級がいなければ、定員に達するまでそれ以外を入れるしかないと思います。
 現に、これまで受け入れていなかった層を収容している施設はいくらでもありますし、超A級にしか歯が立ちません、というのでは鳴り物入りで参入した民間業者の沽券にも関わるでしょう。

 しかし今はまだお手並み拝見、といった段階だと思います。

投稿 lechuga | 2007/04/11 1:09:42

>A級がいなければ、定員に達するまでそれ以外を入れるしかないと思います。

超A級を対象にした設備と組織、一般人と同席する特区の病院、基本的構造が超A級仕様なので、それ以外も収容するのは可能なんでしょうか・・

投稿 現職くん | 2007/04/11 6:54:49

>超A級にしか歯が立ちません。沽券・・
とも参入業者は言わないでしょう。
だってそういう条件で入札しているのですから、条件が異なればそれは施設側の責任です。特区で病院も併設されるのですから民間業者の沽券や「いやぁ~条件が変わりました。」なんて次元の話ではないと思います。
国家の計画、立案、実施です。故に会計検査院もチェックします。
私が言いたかったのは、基幹施設ということだけでいろいろな無理難題を言われる施設もあれば誰もが良く分かっていない美祢のような施設もあるというアンバランスな取り組みを言いたかったのです。
長文になってすいません。

投稿 現職くん | 2007/04/11 22:47:12

 超A級のみの施設という条件でほんの少しの上澄みだけを持っていくとは、民間業者も身の程を知っているということですね。

 無理難題はいろいろな問題について言われ続けており、現場のマンパワーで何とか処理してきましたが、もうそろそろそれも限界に来ていると思います。
 民間の参入にはそのあたりの解決の糸口となって欲しかったところですが、結局、一番大変な仕事は変わらないのが残念です。

投稿 lechuga | 2007/04/12 0:33:42

ご参考にと思いまして、お邪魔いたします。
【平成18年2月24日(金) 大臣閣議後記者会見の概要】
皆さん御承知のとおり,新設が決まっている美祢の社会復帰促進センター(仮称),島根あさひ社会復帰促進センター(仮称)は構造改革特区法に基づく委託範囲の拡大とPFI手法で二つの施設を合わせた職員必要数627人のうち,290人分の業務を民間にゆだねることが可能とされています。公権力の行使を伴う業務のうち,PFI事業,権力性が弱い部分は二つの新しい刑務所では委託可能となっています。二つの刑務所の権力性が強い事業,事務については,民間委託の対象にはなっていません。(中略) それでは,なぜ特区法を全国展開できないのかという議論が一方であるわけですが,美祢と島根あさひの場合は,要するに,改善可能性の強い,初犯で,立ち直る可能性の非常に強い人たちを集めています。そこへ収容する。それから,この委託可能となるように様々な構造上の配慮を設計段階からしています。だから,50パーセント近い民間委託ができるのであって,他の刑務所はそういう構造上の配慮をしていません。それでは美祢ができるから,島根あさひができるから,他で全部やれるかと言ったら,構造を変えなければならないという大きな問題に当たりますから,特区の全国展開はなかなか難しいだろう。できるところもあるかもしれませんが,それはそれで検討しますけれども,原則としては非常に難しい。新規に建設する刑務所については,可能であって,それは特区で推進しているわけですから。それからB級といって,例えば暴力団が半分ぐらい入っているような刑務所で,美祢方式というのはとても無理でありまして,あくまでも,あのような方式は,改善可能性の強い人たちに対してしかできないということは,御承知のとおりです。こちらから申し上げることは以上です。   

美祢に於ける民間事業者の業務基準・基本事項、法務省で作成した「運営業務要求水準書」です。
http://www.moj.go.jp/KYOUSEI/MINE/mine04.pdf
「運営業務要求水準書」に関して行われた「質問回答」
http://www.moj.go.jp/KYOUSEI/MINE/mine07-02.pdf
http://www.moj.go.jp/KYOUSEI/MINE/mine07-03.pdf

長い内容となりました、大変申し訳ありません、ご容赦ください。

投稿 元職員 | 2007/04/12 23:36:40

ということは、
>A級がいなければ、定員に達するまでそれ以外を入れるしかないと思います。
これは完全に無理な話ですね。

投稿 現職くん | 2007/04/13 0:00:04

小生は元刑務官ではありませんが、前職では犯罪検挙率の低下などでは、色々な問題について言われ続けています、職員の増員に関しては刑務官より救われている面は多々ありますが・・・。
民間事業者(警備会社が大半)による「駐車監視員(みなし公務員)」、始まった当初は、官民の連携が上手く行かず、現場が混乱したようです。

>民間の参入にはそのあたりの解決の糸口となって欲しかったところですが・・・。
前職の世界では(勤務していたところ)、「駐車監視員」の導入により、職員の再編成・再配置を行い、第一線の地域や捜査の人員強化を図ったようです。
友人の刑務官(副看守長)は、「職員負担の多い特定施設や基幹施設への人員強化に充てられる」と個人的に思っているようです、また、過剰収容の中で増加の一途を辿る薬物中毒・精神障害・高齢者の受刑者、工場出役できる受刑者の減少と舎房区担当の業務増加・・・その中で、工場運営の補助となる経理夫などに適する、初犯・準初犯で知能が高く行状の良い受刑者が、美祢などの社会復帰促進センターに移送されること、既存の施設が受ける影響に関して如何なものか?とも話していました。

投稿 元職員 | 2007/04/13 0:14:20

今後参入するとしても、PFI形式の刑務所でB級は難しいでしょうね。民間である以上、コストに見合わない部分は引き受けませんから。

結局、高いレベルでの公権力が要求される状況が多くなると、刑務官でなければ出来ないからです。
今すぐにはB級刑務所の過剰収容解消にはならないでしょう。A級受刑者だったのが、出所後再犯してB級受刑者にならないのを防ぐしかないです。

美祢、あさひといった、A級を受け入れるPFI形式の刑務所は、既存A級施設にとっては、経理作業に向いている受刑者がPFI形式の刑務所に持って行かれるという形になるかと思います。

これは、拘置所での経理作業用受刑者(自所執行受刑者)確保にも響くと思います。
従来、自所執行受刑者として拘置所が改善性の高いA級受刑者をキープしていましたからね。

今後PFIで参入して欲しい分野は、M級と高齢者向けです。いずれも専門知識が要求されるのに、処遇の大半を刑務官に任せるのは負担が大きすぎます。

投稿 管理人 | 2007/04/14 14:46:22

管理人さま

>今後PFIで参入して欲しい分野は、M級と高齢者向けです。
あさひに収容される約2000名のA級受刑者の内、養護を必要とする高齢者と身体障害者・知的障害者・精神障害者の約250名が含まれます。

小生も、PFI刑務所は医療・養護を中心に行う施設が良いと思います。 収容条件等の関係で定員に満たない可能性が考えられる?PFI刑務所、養護を必要とする高齢者と身体障害者・知的障害者・精神障害者のA級受刑者を受け入れるべきと考えます、養護の民間職員、PFI刑務所を運営する特別会社の中に、ホームヘルパーや介護福祉士等を福祉従事者を養成・福祉事業を行う会社が参加しております。
刑務官の友人が言う「刑務所は社会の縮図」、特別養護施設みたいな刑務所?が必要になったこと、日本の高齢化・高齢者の孤独化が進んでいる現状と思います。

>今後参入するとしても、PFI形式の刑務所でB級は難しいでしょうね。
PFI形式のB級刑務所、民間の職員は、公権力性が薄い門衛・構内外巡回・本部でのカメラ監視などの施設警備、書信・領置・総務・分類の支援業務なら可能と思います、「非常ベル」の対応、民間の警備職員は発報現場での逃走・不正行為に関する受刑者の監視だけは可能と思います。 (刑務官の戒具使用と保護房収容に於ける、立会い・ビデオ撮影は民間の警備職員でも可能と思います)。
既に宮城刑務所・福島刑務所にて、市場参入のテストが行われていると刑務官の友人から聞いております。

投稿 元職員 | 2007/04/15 0:45:00

>元職員さん
あさひが障害者・高齢者を受け入れるのですか。あさひは男子施設になると聞いていますので、女子を受け入れてくれる施設があればと思います。

宮城や福島で参入テストをしているとのことですが、テストの結果、参入する企業があるのかという疑念はぬぐえません。補助業務だけに絞るとなれば、あまり旨みがないと思います。

民間企業である以上、費用対利益、リスク管理というのは絶対につきまといますから、割に合わないと判断されれば参入しないでしょう。

投稿 管理人 | 2007/04/22 13:19:54

管理人さま

あさひの他に、播磨と喜連川も男子施設の運用です、PFI刑務所での女子収容は美祢だけのようです。

確かに「民間企業=営業利益(旨み)」の相関関係があります、ハードルが高くリスク管理で難題が多い官製市場への参入に関して、その参入の前例と実績を作ることが民間企業としては重要です、割りに合わない事業でも参入することで得られる、社会的信用(株価など)・宣伝効果の旨みが民間企業側にあります。但し、この事業での費用対利益を度外視しても参入したいのは、メガコーポレーションと呼ばれる大企業です、中小企業の参入は体力的にも博打に近いものにて無理です、大企業は他の事業で帳尻合わせが出来ます、リスク管理の方が参入する大企業が抱える難題と思います。


投稿 元職員 | 2007/04/23 0:28:56

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