プリズニーズ株式会社受刑者社会復帰事業部のあり方に疑問
私は元刑務官で、現在はテスト業務を中心としたITエンジニアです。過去にはWeb系プログラマーやネットワーク管理者、はたまたヘルプデスクとしても勤務していました。ちなみに、ITエンジニア8年目です。
プリズニーズ株式会社については、今年の5月にも当サイトの「民間刑務所で Ruby によるソフトウェア開発者を養成、アウトソーシング業務を」で取り上げています。
サイトがリニューアルしてことを知り、改めてプリズニーズ株式会社受刑者社会復帰事業部のページを見ることにしました。刑務作業としてITエンジニアとして通用する教育を受けさせ、出所後の受け皿を提供という理念はよいでしょう。
でも、私個人としては、http://prisoneeds.com/campany2.htmlでの以下の見解は間違いだと思います。
出所後の前科者というのは出所前自ら犯した過ちを「禁固刑」という形で償い終えた人間です。前科者に対し各法人は「償い終えた」人間であるという意識をしっかりもった上でリクルーティング業務を行うべきであると弊社では考えています。 前科者は償い終えたはずの「罪」に出所後に見えない・理解されない・決して癒されることのない「障害」という形で一生涯付きまとわれます。 この「見えない障害」を各法人は充分に理解しサポートしていかなければならないというのが弊社の見解です。
1つめは、「出所後の前科者というのは出所前自ら犯した過ちを「禁固刑」という形で償い終えた人間です。」という表現そのものです。
出所後の前科者というのは出所前自ら犯した過ちを「懲役刑」という刑罰として受け終わっただけです。償い終えてはいません。償いのプロセスの1つを終えたに過ぎません。
他人の命や健康を奪った、他人の財産に被害を与えたといった、他人の権利を直接踏みにじったのであれば、その権利を踏みにじったことに対する償いは必要です。誠心誠意を持ち被害者に償いの心を示す必要があります。薬物使用事犯のように他人の権利を直接は踏みにじっていないといった場合でも、薬物使用により自分自身の健康をむしばんでしまった。健康な身体に生んでくれた親御さんに対する親不孝でしょう。子供や配偶者がいれば、それらの人にも当然迷惑をかけています。特に親の愛を受けるべき時期の子供が、親が服役していることにより親の愛を十分に受けられなかったというのは、子供の人生そのものにも影響が出るのです。それこそ自分の一生をかけて償わねばいけないでしょう。
2つは、受刑者の大半は何度も更生のチャンスを棒に振ってきた人たちです。「何度も更生の機会は与えられながら」で書いたとおりです。
ただ一度の過ちで刑務所に入所といったケースは少ないのです。
受刑者の出所後の受け皿が少なく、その受け皿になってという姿勢は買います。
でも、プリズニーズ株式会社のビジネスモデルとして、人材のリソースを他の会社に提供するのであれば、「出所後の前科者というのは出所前自ら犯した過ちを償おうとしている人」という認識に改める必要があります。その上で、「出所前自ら犯した過ちを償おうとしているプリズニーズ株式会社の人材を活用してください」という方針をとらなければ、提携を考えている企業サイドに理解されないと思います。
ここからは、一ITエンジニアとしての側面から個人的意見を書きます。
まともな(X)HTML書けない会社に、Web系のシステム開発はしていただきたくありません。
まともな(X)HTMLを書けないというのは、W3CのHTML Validatorにプリズニーズ株式会社のトップページをチェックさせると、「This page is not Valid XHTML 1.0 Transitional!」と文法的におかしなところがあると指摘されます。しかも、たった1ページで「Validation Output: 75 Errors」と75個ものエラーを出しているのです。
こんなにもエラーがあっても、パソコンのWebブラウザで表示できているのは、ブラウザ側である程度までは表示しようとする実装となっているからです。これがマークアップ言語ではなく、通常のプログラム言語であれば動作しないから修正しなければいけないというのがすぐにわかるのですが。
もはや、インターネットは生活インフラの一つであり、多様な人間に多様な形で利用されています。成人の健常者がパソコンから使っているだけではありません。携帯電話、スマートフォン、携帯ゲーム機、TVゲーム機といったパソコン以外の様々な機器にもWebブラウザが搭載されており、Webページ(ホームページ)にアクセスして情報を得ています。障害者は、ソフト面、ハード面を組み合わせた支援技術を使うことで、インターネットを利用しています。代表例としては音声ブラウザ、スクリーンリーダー経由でWebページの音声読み上げでしょう。人間だけでなく、Googleをはじめとした検索エンジンのロボットもWebページにアクセスします。
Webページが様々な形で使われる以上、活用しやすくするために文法的に正しい(X)HTMLは求められます。
文法的に正しい(X)HTMLが書けるというのはWeb系ITエンジニアとしての基礎中の基礎と考えています。それが身についていないのに、スタイルシートやJavaScriptといったクライアントサイドの言語や、Rubyなどのサーバーサイドスクリプト言語に手を出したところで身につけるのに苦労しますよ。
8月 25, 2007 日記・コラム・つぶやき | Permalink | コメント (8) | トラックバック (0)